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日刊大衆 2020.07.16 06:00 公開 健康
ご参考URL= https://taishu.jp/articles/-/76065?page=1

    「100歳まで元気な人」「早死にする人」特徴と習慣

 病気に苦しむことなく、長寿を保つ人々は、どんな生活をしているのか? そこに生涯現役の大きなヒントが!

 人生100年を謳う令和の時代、日本には100歳を超える百寿者が約7万人いるという。こうした長寿者の調査研究を見ると、その生活習慣にいくつかの特徴が浮かび上がる。まず、歯がしっかりと残っていて食欲が旺盛、特にタンパク質の摂取が多いこと。家事や仕事などで体をよく動かし、睡眠の質が高い。また、趣味や生きがいを持ち続け、性格は穏健で小さなことにクヨクヨせず家族関係が円満、などだ。

 どんな生き方や生活習慣を身につければ元気でハツラツとした長生きおジイになれるのか? まずは数理統計学や予防医学の権威である岡田正彦・新潟大学名誉教授(医学博士)に話を聞いた。「まず、体格はBMI値(肥満度を示す指数)で26以内、22以上の人が寿命が長いというデータがあります。太りすぎはダメですが、痩せすぎも免疫力が低下して寿命が短くなるんです」

 長寿者は冒頭のように肉や魚、卵などのタンパク質食材を多く食べているのだが、意外な落とし穴は牛乳などの乳製品だ。「ヘルシーな印象ですが、飲みすぎると逆にコレステロールや中性脂肪の値が急上昇するんです。乳製品の中で唯一、コレステロール値を上げないヨーグルトを食べるようにしましょう」(前同)

 また、肉類の調理法は焼くより煮るほうがいい。「肉類を高温で長時間焼くと発がん物質が出て大腸がんなどのリスクが高まります。私も焼き肉は好きですが、焦げたところは食べないようにしています。ベストな食べ方は100度以下で調理するしゃぶしゃぶや、すき焼きでしょう」(同)

 酒の飲みすぎは肝臓疾患やがんを引き起こすが、日本酒で1合以下、ビールで350ミリリットル缶程度、1日に飲む人は長寿になる傾向が。

 意外なものでは、「テレビを長時間見ている人は早死にしてしまう」というデータだ。「世界中でテレビと寿命の関係を示した研究はいくつもありますが、結果はピタリ一致しているんです。具体的に言うと、1日4時間以上テレビを見ている人は、2時間以内の人に比べ、死亡率は1.46倍高くなります。これはテレビをずっと見ていることで、体が動かないことが原因です」(同)

 管理栄養士の安中千絵氏は、長生きで健康的な食事法について、こう説明する。「食事をとる時間によって栄養の吸収率が変わるんですね。たとえば朝食で、ご飯やトーストを多く食べすぎると、昼食でも血糖値が上がりやすいんです」

 朝はパンやご飯より、卵や大豆などのタンパク質豊富な食材を多めに食べる。また、寝る前の食事は血糖値が上がりやすいので、夕食は就寝3時間前に終える。これが長寿につながる食習慣と考えられる。

 長寿者の聞き取り調査では“お茶をよく飲む”や“季節の野菜や果物をよく食べる”人が多い。「緑茶にはカテキンなどの抗酸化物質(抗老化物質)が多く、ニンジンや小松菜などの緑黄色野菜にもベータカロテンなどの抗酸化物質が多く含まれています。こうした食物を日常的に食べる習慣がある人は老化が抑制され、寿命も長くなるでしょうね」(前同)

 逆に、早死にまっしぐらなのはラーメンや丼物、カレーなどを単品で食べる人。「こうした料理は栄養のバランスが悪く、糖質も多いんですね。栄養バランスがいい定食にしたり、せめて小鉢を一品つけるなどしたほうがいいでしょう」(同)

 ■ 50代から身につけたい節約術

 寿命は金で買えない――とはいえ、栄養バランスのいい食事をとったり、体の不調を病院で診てもらったりする経済的余裕は必要だ。また、貧乏な人ほど寿命が短いという調査結果まであるという。そこで、フィナンシャルプランナーの飯田道子氏に、50代から身につけたい節約術を聞いた。

「まず習慣化していただきたいのが毎月1回は必ず銀行通帳の記帳をすることです。節約するには、まずお金の出入りをしっかり把握することが大切なんです」

 記帳することで、使ってないのに年会費だけ払っているクレジットカードを打ち切ったり、スマホ料金を見直したりもできる。さらに、こんな身近な節約術も。

 「この7月からは大手コンビニでもレジ袋が有料化されるんです。これもバッグに折りたたんだレジ袋を入れているだけで、毎回3~5円の節約ができます。男性の方は“面倒臭い”と思われるでしょうが、節約の第一歩はムダなお金を使わないことなんです」

 また、ポイントカードはポイントが貯まるだけでなく、料金が10%引きになるなどお得なサービスが多い。「種類が多く、いざ使うときに財布に入れ忘れていたなんてことにならないよう、私は100円ショップで買ったカード入れに、こうしたポイントカードや割引券を全部入れています。こんな工夫や習慣でけっこう節約ができるんですよ」

■ 家族との関係は円満に

 冒頭で触れたように、長生きする人は、家族との関係が円満なことが多い。中高年夫婦のカウンセリングにも力を入れる、石蔵文信・大阪大学人間科学研究科招へい教授(循環器専門医=医学博士)は「一番身近な奥さんに見放される夫が意外に多い」という。「夫は“妻が死ぬまで面倒みてくれる”と信じているのですが、妻は爆発寸前。内心、いつ別れようかというケースもあります」

 こうなると老後は独りぼっち。長寿どころか孤独死なんてことになりかねない。「夫が外でバリバリ働いていた頃は、多少不満があってもガマンしてるんですが、夫の収入が減ったり、定年になったりすると、不満が一気に出てくる。夫は、こうした不満に気がついていないのも問題ですね」

 たとえば、たまに皿を洗って「皿洗ってやったぞ」と、上から目線で話す。「奥さんにしてみれば、もう仕事もあまりしてないんだから、皿洗いは当たり前のこと。それを“おまえの仕事をしてやった”みたいな言い方をするから、カチンとくるわけです」

 また、食事を作っても感謝どころか、文句さえ言う。気晴らしに友達と会おうとすれば、「いつ帰るのか」と不満顔をする……。「中高年の夫は、妻との関係をもう一度、真剣に考え直す必要があると思います。そうでなければ、本当に熟年離婚されてしまいます」

 子どもやご近所との人間関係もしかり。いつまでも会社の大将気分で、上から目線で人とつきあっていたら、どんどん人が離れてしまう。

■ 女性に関心を持ち続ける

 長生きする男性は、家事や仕事、あるいは運動やウォーキングでこまめに体を動かす。また、“老後の友”であり“散歩の相棒”となるペットを飼っている――こんな人が多いのだが、もう一つ。高齢になっても色気を失わない、女性に関心を持ち続けるという人が多いという。漫画家の成田アキラ氏にコツを聞いた。「僕はエレベーターを待つ間も、人がいなければシャドーボクシングのまねごとをして体を動かしています」

 また、睡眠にも気を遣っている。「寝るときは寝室の窓を暗幕でおおって真っ暗にして、朝起きたら暗幕を一気に開ける。こうしたメリハリで熟睡と目覚めの環境を作っているのですが、良い睡眠が大切なんですよ」(前同)

 さらに、70~80代になっても女性からモテるコツを、カウンセラーの竹下なな氏が、こう解説する。「女性は男性の年齢のストライクゾーンは広いんですが、清潔感がなく、年寄り臭い男性はダメなんです」

 年を取っていても、清潔感や清涼感がある服装で、さらりと扇子を使ったりすると、ときめくという。「立ち姿や歩く様子が若々しく、女性が話すことに無邪気に反応して、表情も変化に富んでいる。話をするときも、自分の自慢話でなく、聞き役に回る。女性を褒める言葉も“若くて、きれい”ではなく、女性の内面からにじみ出る性格を的確に誉める。こんなシニアなら、女性にモテると思います」(前同)

 ちなみに、ある長寿研究者によると「長寿の遺伝的要素は25%ぐらい。あとの75%は食生活などの環境要因」だとか。生涯現役を目指して頑張りましょう!

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