日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
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Zakzak 産経デジタル IZA 2019.12.13 20:27
ご参考URL=https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/191213/lif19121320270023-n1.html

 【続々・長生きは本当に幸せか】
            長生きすればするほど「貧困地獄」に落ちる!? 
                            「人生100年時代」の不都合な真実


 「人生100年時代」と言われ、年をとっても元気で働きながら、暮らしていけるというイメージが広がっています。しかし、それは大間違い。長生きすればするほど、健康は損なわれ、おカネもなくなります。

 「老後資金2000万円」が問題になりましたが、多くの世帯はそれを用意することはできません。金融広報中央委員会によると、全国民の約3割は貯金ゼロです。しかも、どう考えても健康で仕事ができるのは、80歳が限度でしょう。

 平均寿命の前にやってくる「健康寿命」は、女性が74・79歳、男性は72・14歳(2016年調べ)。健康寿命とは、日常生活を他人の手助けなしに、自立してできる期間のことです。もちろん、人によって違いますが、平均的に70歳を超えれば、やがて自立生活ができなくなるときが訪れます。ほぼ仕事はできず、継続的に医療・介護に依存しながら生きていくしかありません。

 しかも、その期間は長いのです。

 なぜ長いかと言うと、現代の医学は、人を簡単に死なせてくれないからです。完全な終末期が訪れるまで、病気の進行を抑えながら生かし続けます。たとえば、糖尿病は治る病気ではありません。いったん糖尿病になると、やがて、尿毒症や神経障害などの合併症を起こして死に至ります。しかし、人工透析を続けることで、死期を先送りします。

 日本は寝たきり老人が世界一多い国です。それは、最後の最後まで生かし続けているからです。これは、じつに残酷な話で、私は老人施設でそういう方から、「もう生きていてもなんの楽しみもない。早く死なせてください」と言われたことが、何回もあります。

 年をとって体が言うことをきかなくなるのは仕方ないとしても、貧困に陥るのは惨めです。この世は、おカネなしでは生きられません。普通に暮らすのはもとより、医療・介護にしても、おカネがかかります。年金、貯金でそのおカネを捻出できなければ、貧困生活に陥るしかありません。

 つまり、「人生100年時代」というのは、本当は絶望的な暗い話なのです。「生涯現役」とも言われていますが、それはポジティブな意味ではありません。本当の意味は、「本当に動けなくなるまで働く」「死ぬ一歩手前まで働く」ということです。今後、生涯現役が国民の義務になるはずです。

 長生きが貧困に陥る現実を表しているのが、生活保護受給者の急増と、その年齢別内訳です。厚生労働省によると、生活保護受給者数は約214万人(約164万世帯)で、そのうち高齢者は約84万世帯に上っています。生活保護受給者の半分以上が老人なのです。

 生活保護費は、国が75%、自治体が25%を負担しています。いまや国の負担金は約4兆円に迫っており、消費税増税2%分がすっ飛ぶ額です。

 「長生き」に対するアンケートをいくつか見ましたが、このような未来を予測してか、多くの人が長生きを望んでいません。メディアは長生きを礼賛しますが、「長生き万歳」という文化は、日本の歴史にはありません。年長者は敬いますが、昔の人は長生きそのものを素晴らしいなどと言っていません。

 私の知人は、80歳を超えて病院通いを止めました。理由はこうです。

 「問診か検査をし、クスリをくれるか、運動をしなさいと言われるだけ。そんなバカバカしいことをおカネを払って聞いていられない」

 ■富家孝(ふけ・たかし) 1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営の後、「ラ・クイリマ」代表取締役。早大講師、日本女子体育大助教授などを歴任、新日本プロレスリングドクター、医療コンサルタントを務める。『ブラック病院』(イースト・プレス)など著書計67冊。

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