生涯現役名脇役演技の山谷さん85歳で逝く
2019年11月7日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
秋田魁新報 2019年11月7日 掲載 北斗星
ご参考URL= https://www.sakigake.jp/news/article/20191107AK0017/
生涯現役で名脇役演技だった山谷初男さん85歳で逝く
黒澤明作品に三船敏郎が欠かせなかったように、監督が一度起用した俳優を自身が手掛ける映画で何度も使うケースは多い。そこにはお互いの強い信頼関係が見て取れる
▼ 若松孝二監督は仙北市出身の山谷初男さんを重宝した。山谷さんを主役にした「胎児が密猟する時」(1966年)以降、屈託を抱える男などを何度も演じさせた。東北弁の中年男の役で注目される前のことだ
▼ 若松監督の死後に出版された「若松孝二 闘いつづけた鬼才」(河出書房新社)によると、俳優の一人は山谷さんを繰り返し起用した理由について、監督本人からこう聞かされた。「カメラの前で何もしないから俺は使ってるんだ。主役なのに存在を消すんだ。お前はそんなこと、考えたこともねえだろう」
▼ 派手な自己主張をしない抑えた演技。それによって醸し出される独特の存在感が買われたということではないか。野村芳太郎、山田洋次、北野武、今村昌平ら多くの名監督の下で脇役を務めた。蜷川幸雄演出の舞台の常連でもあった
▼ 山谷さんに取材で初めて接したのは、94年に横手市に開場した秋田ふるさと村の村長を務めた時だった。あいさつの順番が回ってくるまで、隠れはしないが目立たずにいた。今思えば、あれも演技のうちだったのか
▼ 山谷さんが先月末、晩年長く住んだ本県で、85歳で亡くなった。まだドラマの収録予定があったというから生涯現役だった。作品一覧を眺め、貴重な役者を失ったとあらためて思う。
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秋田魁新報 2019年11月7日 掲載 北斗星
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生涯現役で名脇役演技だった山谷初男さん85歳で逝く
黒澤明作品に三船敏郎が欠かせなかったように、監督が一度起用した俳優を自身が手掛ける映画で何度も使うケースは多い。そこにはお互いの強い信頼関係が見て取れる
▼ 若松孝二監督は仙北市出身の山谷初男さんを重宝した。山谷さんを主役にした「胎児が密猟する時」(1966年)以降、屈託を抱える男などを何度も演じさせた。東北弁の中年男の役で注目される前のことだ
▼ 若松監督の死後に出版された「若松孝二 闘いつづけた鬼才」(河出書房新社)によると、俳優の一人は山谷さんを繰り返し起用した理由について、監督本人からこう聞かされた。「カメラの前で何もしないから俺は使ってるんだ。主役なのに存在を消すんだ。お前はそんなこと、考えたこともねえだろう」
▼ 派手な自己主張をしない抑えた演技。それによって醸し出される独特の存在感が買われたということではないか。野村芳太郎、山田洋次、北野武、今村昌平ら多くの名監督の下で脇役を務めた。蜷川幸雄演出の舞台の常連でもあった
▼ 山谷さんに取材で初めて接したのは、94年に横手市に開場した秋田ふるさと村の村長を務めた時だった。あいさつの順番が回ってくるまで、隠れはしないが目立たずにいた。今思えば、あれも演技のうちだったのか
▼ 山谷さんが先月末、晩年長く住んだ本県で、85歳で亡くなった。まだドラマの収録予定があったというから生涯現役だった。作品一覧を眺め、貴重な役者を失ったとあらためて思う。
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