NPOライフ・ベンチャー・クラブ会報166
2019年7月30日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
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N P O 法 人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ
ホ ッ ト ラ イ ン ニ ュ ー ス
事 務 局 報 告 第 166 号 2019年 7月30日 発行
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◎ 年金だけではない超高齢社会の問題 ~田舎で想ったこと~
Japa日本専門家活動協会 代表 芝原 靖典
先月、従兄弟の結婚式があり、2年ぶりに田舎(徳島)に帰りました。結婚式自体は田舎の式場らしくまったりしたスピード感で進行するなか、インスタ映えする演出優先の今風でした。
宿泊は女房の実家(いまや、元農家)に泊まりましたが、実家には89歳になるおばあちゃん(女房のお母さん)が一人で住んでいます。デイサービスに通い、全て嫁いだ娘4人(高松、所沢、淡路島、島根にそれぞれ在住)が交替で面倒をみにきています。
スダチ畑の手入れはできても、田んぼの面倒まではみきれず、貸しています。その借りてもらっている農家もあちこちから頼まれ、引き受け切れない状態のようで、来年以降、いよいよ耕作放棄地になる恐れがあります。このような状況に何の策も出し得ない農政、農協に制度設計の抜本的見直しが必要なのではと、田んぼを眺めながら感じた次第です。
そして、おばあちゃんの娘達も齢を重ね、老老介護の状態に移行しつつあります。まさに、現在の超高齢社会の縮図を見る思いです。介護福祉サービスの充実なくして、超高齢化社会における老後の生活、特に田舎においてはなかなか厳しいと云わざるを得ません。
田舎では、空港隣接のレンタカー会社でレンタカーを借りました。若いときのように、約700kmを車で走って帰る程の運転の自信はないので、最近は、飛行機で帰ってレンタカーを借りるというパターンが多くなっています。とにかく、田舎では車がなければ何もできません。都会とは違って、田舎の人は歩きません。農地を持っている家には軽トラが1台以上あります。
一方で、最近、高齢者の運転による交通事故が全国的に多発しています。わが国の高齢者(65歳以上)は総人口の27.3%(総務省 平成28年9月15日現在推計)で、後期高齢者(75歳以上)も総人口の13.4%に達しています。事故原因として、運転の誤操作が云々されていますが、これだけ高齢者比率が高い時代に、高齢者の操作能力、視認能力にあった車の操作メカニズムにするのが車メーカーの責務ではないでしょうか。いつまでも健常者ベースの設計仕様ではなく、太宗となった高齢者ベースの設計仕様に移行して欲しいものです。
▼ 高齢社会白書 高齢者の社会参画を促すには外出手段 の確保が重要課題――内閣府
その一つの形として、自動運転車の開発が進行していますが、都市部のように道路がそれなりに整備されている状況での道路環境ではなく、軽トラが走っている田舎の道路環境でも自動走行できる一般車の開発をしてこそ、自動車のイノベーションと呼べるのではないでしょうか。
さらには、自宅からのゴミ集積所までのゴミ出しさえ難しい超高齢単独世帯には、ゴミ出し専用の自動搬送車が必要です。供給者起点のラストワンマイルではなく、生活者起点のファーストワンマイル対策こそが必要です。
これらは、いずれもリバースイノベーションと云われるもので、世界の課題先進国の更に課題先進地である田舎にそのフィールドがあります。何とか地方発リバースイノベーションに道筋をつけたいものです。
最後に、若者がいない田舎の家には、Wi-Fi環境がありません。つまり、スマホの契約データ容量を費消します。都会では、自宅はもちろん、自宅外においても無料Wi-Fiが充実しており、契約データ容量を費消することはあまりありません。追加でデータ容量を買い増しながら、スマホを使うという状況に、都市サービスの格差(つまりは情報格差)が意外なところにあることを実感しました。
、
4泊5日で田舎に帰って、いろいろ考えさせられました。
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
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N P O 法 人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ
ホ ッ ト ラ イ ン ニ ュ ー ス
事 務 局 報 告 第 166 号 2019年 7月30日 発行
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◎ 年金だけではない超高齢社会の問題 ~田舎で想ったこと~
Japa日本専門家活動協会 代表 芝原 靖典
先月、従兄弟の結婚式があり、2年ぶりに田舎(徳島)に帰りました。結婚式自体は田舎の式場らしくまったりしたスピード感で進行するなか、インスタ映えする演出優先の今風でした。
宿泊は女房の実家(いまや、元農家)に泊まりましたが、実家には89歳になるおばあちゃん(女房のお母さん)が一人で住んでいます。デイサービスに通い、全て嫁いだ娘4人(高松、所沢、淡路島、島根にそれぞれ在住)が交替で面倒をみにきています。
スダチ畑の手入れはできても、田んぼの面倒まではみきれず、貸しています。その借りてもらっている農家もあちこちから頼まれ、引き受け切れない状態のようで、来年以降、いよいよ耕作放棄地になる恐れがあります。このような状況に何の策も出し得ない農政、農協に制度設計の抜本的見直しが必要なのではと、田んぼを眺めながら感じた次第です。
そして、おばあちゃんの娘達も齢を重ね、老老介護の状態に移行しつつあります。まさに、現在の超高齢社会の縮図を見る思いです。介護福祉サービスの充実なくして、超高齢化社会における老後の生活、特に田舎においてはなかなか厳しいと云わざるを得ません。
田舎では、空港隣接のレンタカー会社でレンタカーを借りました。若いときのように、約700kmを車で走って帰る程の運転の自信はないので、最近は、飛行機で帰ってレンタカーを借りるというパターンが多くなっています。とにかく、田舎では車がなければ何もできません。都会とは違って、田舎の人は歩きません。農地を持っている家には軽トラが1台以上あります。
一方で、最近、高齢者の運転による交通事故が全国的に多発しています。わが国の高齢者(65歳以上)は総人口の27.3%(総務省 平成28年9月15日現在推計)で、後期高齢者(75歳以上)も総人口の13.4%に達しています。事故原因として、運転の誤操作が云々されていますが、これだけ高齢者比率が高い時代に、高齢者の操作能力、視認能力にあった車の操作メカニズムにするのが車メーカーの責務ではないでしょうか。いつまでも健常者ベースの設計仕様ではなく、太宗となった高齢者ベースの設計仕様に移行して欲しいものです。
▼ 高齢社会白書 高齢者の社会参画を促すには外出手段 の確保が重要課題――内閣府
その一つの形として、自動運転車の開発が進行していますが、都市部のように道路がそれなりに整備されている状況での道路環境ではなく、軽トラが走っている田舎の道路環境でも自動走行できる一般車の開発をしてこそ、自動車のイノベーションと呼べるのではないでしょうか。
さらには、自宅からのゴミ集積所までのゴミ出しさえ難しい超高齢単独世帯には、ゴミ出し専用の自動搬送車が必要です。供給者起点のラストワンマイルではなく、生活者起点のファーストワンマイル対策こそが必要です。
これらは、いずれもリバースイノベーションと云われるもので、世界の課題先進国の更に課題先進地である田舎にそのフィールドがあります。何とか地方発リバースイノベーションに道筋をつけたいものです。
最後に、若者がいない田舎の家には、Wi-Fi環境がありません。つまり、スマホの契約データ容量を費消します。都会では、自宅はもちろん、自宅外においても無料Wi-Fiが充実しており、契約データ容量を費消することはあまりありません。追加でデータ容量を買い増しながら、スマホを使うという状況に、都市サービスの格差(つまりは情報格差)が意外なところにあることを実感しました。
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4泊5日で田舎に帰って、いろいろ考えさせられました。
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