ジャニーさん亡き後に贈る事務所へ「忠告」2
2019年7月16日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
【昨日Blog に続く】
その意味でいえば、ジャニーさん亡きあと、事務所が決して行ってはならないのは、タレントとの関係性が極端にビジネスライクになることである。要するに、事務所関係者が所属タレントに「この事務所は大きく変わってしまった」と思わせないようなマネジメントが重要である。
そして一番大きいのは、精神的な支えを失ったことに尽きる。
ジャニーさんが多くの所属タレントにとって、精神的支柱になっていたことは想像に難くない。では、具体的にどのような形で精神面を支えていたかといえば、「人をその気にさせる力」があったということである。
組織内において、特に新人や若手のやる気を高めるには、本人のモチベーションに加えて、他者のエンパワーメント(後押し)が必要である。ジャニーさんはそれをよく理解していた。
ジャニーさんのエンパワーメントは、端的にいえば、所属タレントを愛し、認め、肯定的な評価を伝えることである。
中でも、人を認め、肯定的な評価を本人に伝わる形で発信するという面においては、類いまれなセンスを持っていたことを感じさせる。
言い換えれば、「人を褒め、やる気につなげる」ということであるが、心理学的には大きく三つの方法がある。具体的には、「直接的に行動や業績を褒める」「その人の存在自体、ならではの良さを認める」「間接的に褒める」であり、ジャニーさんはこの三つの方法を自然に駆使していた。
「直接的に行動や業績を褒める」ことは、一般にそれほど難しいことではない。やるべき何かをやったら褒め、認めるし、やらなければ認めない、褒めない、という単純な方法だからだ。ただ、これだけで人は育たない。
「その人の存在自体、ならではの良さを認める」ことと「間接的に褒める」ことは学校や会社など、一般社会でも組織内マネジメントに活用されているとは言い難い。しかし、実は非常に大きなパワーやモチベーションにつながる方法なのである。
ジャニーさんは、「YOU(ユー)、やっちゃいなよ!」「ユー、来ちゃいなよ!」「出ちゃいなよ!」とたびたびタレントに伝えていたといわれる。しかも、いまだデビューもしていないタレントに対しても、である。これは、言い換えると「君ならできるよ」という、その人そのものを認めるメッセージであり、それを意気に感じない者はいなかったのではないだろうか。
そして、各人のキャラクターを認めた上で、おのおのが得意だったり、できそうな発揮の仕方を教示し、導いているようにも見える。これも、まず対象のタレントそのものの「良さ」を認めていて、その前提があってこそである。
また心理学的に、間接的に褒めることは、時に直接褒める以上の影響力を持つことがある。「あなたのこと、〇〇さんが褒めていたよ」と言われることが、直接褒められるよりも何だかうれしかった経験は、誰にでもあることだろう。
ジャニーさんは主にメディアを通じて、それを行っていた。滝沢秀明が引退、育成・プロデュース業への専念を発表したときに出された「社長メッセージ」は、最たるものだろう。本人以外の人間やメディアに対して、肯定的評価を発信することは、その本人のみならず、集団としてのモチベーションアップにつながることを、彼は知っていたのだと思う。
「社会人でプロならば、自分自身でモチベーションを高めてしかるべし」という見方もあるだろう。しかし、それだけでは、やはり限界がある。本人が持っている能力をさらに高めつつ、実際に発揮するためには、他者の介在が欠かせないのである。
一般社会の組織マネジメントにも通じる一つのモデルを、ジャニーさんは生き方を通して世の中に提示していたように感じるのだ。なお、これらのジャニーさんの行動に効果があったかどうかは、倒れた際や訃報に際しての所属タレントの言動を見れば、言わずもがな、である。
ジャニーさんの座右の銘であった「SHOW MUST GO ON(ショーは終わらない)」が貫き通せるかどうかは、彼に育て上げられたタレントが改めて価値を発揮できるかにかかっている。ジャニーさんのご冥福を心よりお祈りしたい。
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その意味でいえば、ジャニーさん亡きあと、事務所が決して行ってはならないのは、タレントとの関係性が極端にビジネスライクになることである。要するに、事務所関係者が所属タレントに「この事務所は大きく変わってしまった」と思わせないようなマネジメントが重要である。
そして一番大きいのは、精神的な支えを失ったことに尽きる。
ジャニーさんが多くの所属タレントにとって、精神的支柱になっていたことは想像に難くない。では、具体的にどのような形で精神面を支えていたかといえば、「人をその気にさせる力」があったということである。
組織内において、特に新人や若手のやる気を高めるには、本人のモチベーションに加えて、他者のエンパワーメント(後押し)が必要である。ジャニーさんはそれをよく理解していた。
ジャニーさんのエンパワーメントは、端的にいえば、所属タレントを愛し、認め、肯定的な評価を伝えることである。
中でも、人を認め、肯定的な評価を本人に伝わる形で発信するという面においては、類いまれなセンスを持っていたことを感じさせる。
言い換えれば、「人を褒め、やる気につなげる」ということであるが、心理学的には大きく三つの方法がある。具体的には、「直接的に行動や業績を褒める」「その人の存在自体、ならではの良さを認める」「間接的に褒める」であり、ジャニーさんはこの三つの方法を自然に駆使していた。
「直接的に行動や業績を褒める」ことは、一般にそれほど難しいことではない。やるべき何かをやったら褒め、認めるし、やらなければ認めない、褒めない、という単純な方法だからだ。ただ、これだけで人は育たない。
「その人の存在自体、ならではの良さを認める」ことと「間接的に褒める」ことは学校や会社など、一般社会でも組織内マネジメントに活用されているとは言い難い。しかし、実は非常に大きなパワーやモチベーションにつながる方法なのである。
ジャニーさんは、「YOU(ユー)、やっちゃいなよ!」「ユー、来ちゃいなよ!」「出ちゃいなよ!」とたびたびタレントに伝えていたといわれる。しかも、いまだデビューもしていないタレントに対しても、である。これは、言い換えると「君ならできるよ」という、その人そのものを認めるメッセージであり、それを意気に感じない者はいなかったのではないだろうか。
そして、各人のキャラクターを認めた上で、おのおのが得意だったり、できそうな発揮の仕方を教示し、導いているようにも見える。これも、まず対象のタレントそのものの「良さ」を認めていて、その前提があってこそである。
また心理学的に、間接的に褒めることは、時に直接褒める以上の影響力を持つことがある。「あなたのこと、〇〇さんが褒めていたよ」と言われることが、直接褒められるよりも何だかうれしかった経験は、誰にでもあることだろう。
ジャニーさんは主にメディアを通じて、それを行っていた。滝沢秀明が引退、育成・プロデュース業への専念を発表したときに出された「社長メッセージ」は、最たるものだろう。本人以外の人間やメディアに対して、肯定的評価を発信することは、その本人のみならず、集団としてのモチベーションアップにつながることを、彼は知っていたのだと思う。
「社会人でプロならば、自分自身でモチベーションを高めてしかるべし」という見方もあるだろう。しかし、それだけでは、やはり限界がある。本人が持っている能力をさらに高めつつ、実際に発揮するためには、他者の介在が欠かせないのである。
一般社会の組織マネジメントにも通じる一つのモデルを、ジャニーさんは生き方を通して世の中に提示していたように感じるのだ。なお、これらのジャニーさんの行動に効果があったかどうかは、倒れた際や訃報に際しての所属タレントの言動を見れば、言わずもがな、である。
ジャニーさんの座右の銘であった「SHOW MUST GO ON(ショーは終わらない)」が貫き通せるかどうかは、彼に育て上げられたタレントが改めて価値を発揮できるかにかかっている。ジャニーさんのご冥福を心よりお祈りしたい。
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