「終身年金」の重視が老後資金準備のカギ?
2019年5月24日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
マイナビニュース ワーク&ライフ All About /20190524-830146/
ご参考URL=https://news.mynavi.jp/article/20190524-830146/
「終身年金」を厚くすることが老後資金準備のカギ?
◆ 50代のあなたの貯金額はいくらありますか?
公的年金だけでは、老後の生活費を100%賄うのも難しい状況です。そこで、現役時代に資産の山をできるだけ高く築いておくことが大切になります。資産の山を築く一方、人生100年時代に備えるには入ってくるフロー収入を厚くすることが重要になります。それも、生きている間受け取ることができる「終身年金」を厚くすることが鍵になるのです。
50歳代になるとおぼろげだった老後が、日に日にはっきりと見えてくるはずです。老後の準備を急がなければと考えますが、一体同世代はどの位の金融資産を貯めているのだろうと気になることでしょう。具体的な準備の方法や考え方を述べる前に、少し寄り道してお隣さんの資産状況を見てみることにしましょう。
総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)(貯蓄・負債編)平成27年版」によれば、世帯主50~59歳の勤労世帯の貯蓄残高の平均は1639万円です。平均値なので多めの金額になっているため、平均を上回っている人は少ないかもしれませんね。
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(平成29年版)」によれば、全年代の平均額は1151万円、中央値380万円(2人以上世帯)、金融資産を保有している世帯だけに限ると、平均額は1729万円、中央値は1000万円になります。
何をもって及第点とするのかは難しいですが、50歳代、かつ老後をイメージすれば中央値の1000万円を保有しておきたいところです。反面、50歳代でも31.8%が貯金0円の世帯です。貯金0円世帯の人は人的資本を大切にして生涯働けるようにしておくことが大切になるでしょう。
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「終身年金」を厚くすることが老後資金準備のカギ?
年金はあてにせず貯蓄をすべき?老後対策とは?
老後資金はこう増やす!退職金がない人のマネープラン
◆退職までにどう資金を準備していくか
お隣の資産額と我が家を見比べて一喜一憂する必要はありません。定年退職を迎えるまでではなく、亡くなるまでを俯瞰すれば(運用は生涯現役)、リカバリーする時間は十分あるからです。では、どうやって準備するかですが、現役時代の基本は、毎月の収支から資金を捻出して積み立て方式で行っていくことになります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISAなど節税が得られる制度を活用するのがベースになるでしょう。ただし、iDeCo、つみたてNISAでは長生きのリスクに備える「終身年金」を確保することが難しいと言わざるをえません。人生100年時代を見据えるのであれば、資産の山を高くすることも大切ですが、一方で生涯受け取ることができる終身年金を厚くしておくことが重要になるのです。
終身年金を厚くしたいのであれば、自営業者など第1号被保険者は「国民年金基金」で準備することを優先しましょう。掛け金は全額所得控除が利用できるうえ、まず終身年金に入る(選択する)ことが義務づけられているからです。勤労者であれば、iDeCoに目が向きがちですが、終身年金を重視するなら民間生命保険会社の「トンチン年金」がよいでしょう。
トンチン年金は保険料を払っているときに亡くなると、返戻金は支払額を下回りますが、生きていればずっと年金を受け取ることができるのです。つまり、長生きすればするほど受け取り総額が多くなる年金保険なのです。
所得控除を考慮すれば、iDeCoがまず頭に浮かびますが、iDeCoは60歳までしか拠出することはできません。現在、手を挙げれば65歳まで働くことができることと照らし合わせると、収入を得ている期間とiDeCoの拠出期間がマッチしません。50歳代後半の方は、拠出期間を考えるとつみたてNISAの方が使い勝手がよい面もあることでしょう。反面、50歳代前半であれば所得控除などを考えてiDeCoを利用されてもよいでしょう。
積立期間(拠出期間)を俯瞰すれば、預金や生命保険などの元本確保型商品を選んでしまいそうですが、公的年金などはインフレに弱い制度です。インフレに備える観点から、投資信託を選んで運用をするべきです。
◆公的年金の任意加入という手もある
50歳代のかなりの人は公的年金に「未納」があるはずです。そんな馬鹿な!と思われるかもしれませんが、大学時代(20歳以上大学卒業まで)に公的年金に加入はしていたが、社会人になって追納を行った人はかなり少ないからです。今と違って大学生時代の公的年金に対する加入の催促等はあっさりしていましたから。
再雇用をされた人は勤務先経由で加入は継続しますが、60歳の定年退職で会社を辞めた、起業した等の人は、任意加入を行い老齢基礎年金を満額受け取れるようにすべきです。長生きに備えるには、資産の山を築くことも大事ですが、同時に終身年金をいかに厚くするかもとても重要なことなのです。
【参考文献】55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣(明日香出版社)
文=深野 康彦(マネーガイド)
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「終身年金」を厚くすることが老後資金準備のカギ?
◆ 50代のあなたの貯金額はいくらありますか?
公的年金だけでは、老後の生活費を100%賄うのも難しい状況です。そこで、現役時代に資産の山をできるだけ高く築いておくことが大切になります。資産の山を築く一方、人生100年時代に備えるには入ってくるフロー収入を厚くすることが重要になります。それも、生きている間受け取ることができる「終身年金」を厚くすることが鍵になるのです。
50歳代になるとおぼろげだった老後が、日に日にはっきりと見えてくるはずです。老後の準備を急がなければと考えますが、一体同世代はどの位の金融資産を貯めているのだろうと気になることでしょう。具体的な準備の方法や考え方を述べる前に、少し寄り道してお隣さんの資産状況を見てみることにしましょう。
総務省が公表している「家計調査年報(家計収支編)(貯蓄・負債編)平成27年版」によれば、世帯主50~59歳の勤労世帯の貯蓄残高の平均は1639万円です。平均値なので多めの金額になっているため、平均を上回っている人は少ないかもしれませんね。
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(平成29年版)」によれば、全年代の平均額は1151万円、中央値380万円(2人以上世帯)、金融資産を保有している世帯だけに限ると、平均額は1729万円、中央値は1000万円になります。
何をもって及第点とするのかは難しいですが、50歳代、かつ老後をイメージすれば中央値の1000万円を保有しておきたいところです。反面、50歳代でも31.8%が貯金0円の世帯です。貯金0円世帯の人は人的資本を大切にして生涯働けるようにしておくことが大切になるでしょう。
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「終身年金」を厚くすることが老後資金準備のカギ?
年金はあてにせず貯蓄をすべき?老後対策とは?
老後資金はこう増やす!退職金がない人のマネープラン
◆退職までにどう資金を準備していくか
お隣の資産額と我が家を見比べて一喜一憂する必要はありません。定年退職を迎えるまでではなく、亡くなるまでを俯瞰すれば(運用は生涯現役)、リカバリーする時間は十分あるからです。では、どうやって準備するかですが、現役時代の基本は、毎月の収支から資金を捻出して積み立て方式で行っていくことになります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISAなど節税が得られる制度を活用するのがベースになるでしょう。ただし、iDeCo、つみたてNISAでは長生きのリスクに備える「終身年金」を確保することが難しいと言わざるをえません。人生100年時代を見据えるのであれば、資産の山を高くすることも大切ですが、一方で生涯受け取ることができる終身年金を厚くしておくことが重要になるのです。
終身年金を厚くしたいのであれば、自営業者など第1号被保険者は「国民年金基金」で準備することを優先しましょう。掛け金は全額所得控除が利用できるうえ、まず終身年金に入る(選択する)ことが義務づけられているからです。勤労者であれば、iDeCoに目が向きがちですが、終身年金を重視するなら民間生命保険会社の「トンチン年金」がよいでしょう。
トンチン年金は保険料を払っているときに亡くなると、返戻金は支払額を下回りますが、生きていればずっと年金を受け取ることができるのです。つまり、長生きすればするほど受け取り総額が多くなる年金保険なのです。
所得控除を考慮すれば、iDeCoがまず頭に浮かびますが、iDeCoは60歳までしか拠出することはできません。現在、手を挙げれば65歳まで働くことができることと照らし合わせると、収入を得ている期間とiDeCoの拠出期間がマッチしません。50歳代後半の方は、拠出期間を考えるとつみたてNISAの方が使い勝手がよい面もあることでしょう。反面、50歳代前半であれば所得控除などを考えてiDeCoを利用されてもよいでしょう。
積立期間(拠出期間)を俯瞰すれば、預金や生命保険などの元本確保型商品を選んでしまいそうですが、公的年金などはインフレに弱い制度です。インフレに備える観点から、投資信託を選んで運用をするべきです。
◆公的年金の任意加入という手もある
50歳代のかなりの人は公的年金に「未納」があるはずです。そんな馬鹿な!と思われるかもしれませんが、大学時代(20歳以上大学卒業まで)に公的年金に加入はしていたが、社会人になって追納を行った人はかなり少ないからです。今と違って大学生時代の公的年金に対する加入の催促等はあっさりしていましたから。
再雇用をされた人は勤務先経由で加入は継続しますが、60歳の定年退職で会社を辞めた、起業した等の人は、任意加入を行い老齢基礎年金を満額受け取れるようにすべきです。長生きに備えるには、資産の山を築くことも大事ですが、同時に終身年金をいかに厚くするかもとても重要なことなのです。
【参考文献】55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣(明日香出版社)
文=深野 康彦(マネーガイド)
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