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スポーツ報知:2018.5.8/7:00
ご参考URL=http://www.hochi.co.jp/topics/20180507-OHT1T50256.html

   だるまちゃんシリーズの絵本作家
           ・加古里子さんが死去、「生涯現役」92歳


 「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」などで知られる絵本作家で、児童文化研究家の加古里子(かこ・さとし、本名・中島哲=なかじま・さとし)さんが2日午前6時17分、慢性腎不全のために神奈川県藤沢市の自宅で死去していたことが7日、分かった。92歳だった。60年近い作家生活の中で、600点以上の作品を発表。今年に入ってからも新作を世に送り出すなど、「生涯現役」とし活躍を続けていた。

 東大工学部卒という経歴ながら、絵本を描くことで子供たちに夢を送り続けた加古さんが、静かに逝った。

 関係者によると、加古さんは9年ほど前から腎臓の持病があったものの、体調と相談しながら自宅で創作活動を行っていた。今年に入っても、1月15日に「だるまちゃん」シリーズの最新作「だるまちゃんとかまどんちゃん」など3作品を同時発刊。さらに、3月には小学校卒業時の絵日記をまとめた「過去六年間を顧みて」を発売していた。

 同月中旬にも編集者とやりとりを交わすなど元気な姿を見せていたが、その後体調を崩したという。亡くなる前日まで、ファンレターを読んでもらい、返事が書けないことを残念がると共に、仕事のことを口にするなど、生涯現役を貫いた。

 大学卒業後、化学工業会社「昭和電工」に就職し、研究所に勤める傍ら1950年代から参加した「セツルメント(社会事業)活動」が、創作活動の原点となった。ボランティアで週末の度に川崎市の工業地帯に通い、徹夜で準備した手作りの紙芝居を披露する中で子供向け作品のアイデアを練り、59年に「だむのおじさんたち」で絵本作家デビューした。

 その後も次々と作品を発表するが、中でも知られるのが67年の第1作「だるまちゃんとてんぐちゃん」から始まる「だるまちゃん」シリーズだ。主人公の「だるまちゃん」が全国各地の民話や伝説などに登場するキャラクターや動物たちと遊ぶ姿を描いたシリーズは全16作、合計389万部を記録。73年に発売され、240万部以上を売り上げた「からすのパンやさん」と並び、半世紀にわたって子供たちに愛され続けている。

 また、経歴を生かし「科学絵本」というジャンルを開拓。「かわ」「海」「宇宙」などの絵本では、身近なものから徐々にスケールを広げる手法で壮大な世界へ導き、「学ぶことは楽しいこと」というメッセージを読者に焼き付けた。

 葬儀・告別式は親族のみで執り行われた。後日、出版社3社による、しのぶ会が開かれる予定だ。

 ◆加古 里子(かこ・さとし)本名・中島哲。1926年3月31日、福井県国高村(現在の越前市)生まれ。33年に東京・板橋に転居。49年、東大工学部卒業後に昭和電工に入社。同社に勤務しながら子供向け紙芝居を手掛け、59年に「だむのおじさんたち」で絵本作家デビュー。67年に代表作のシリーズ第1作「だるまちゃんとてんぐちゃん」発表。73年に退社し、作家活動に専念。75年、「遊びの四季」で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2008年、菊池寛賞受賞。

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