仕事付高齢者向け住宅/課題は報酬 2
2018年4月28日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
「仕事付き高齢者向け住宅」ってどんなもの?(昨日付Blogのつづき)
見えてきた課題とは…
モデル事業では課題も見えてきた。仕事をしたことへの「対価」をどう捻出するかという問題である。
農作業に関しては、野菜を販売することで売り上げが発生したため、1回参加するごとに500円の謝礼金を渡すことができたという。保育施設に関しては、「本来は保育士が行う仕事をやってもらったので、浮いた人件費を謝礼金として渡すことを検討したい」(中村氏)としている。
伸こう福祉会では、かねて高齢者の経済面について問題意識を持っていた。高齢者施設の紹介を行っている人から「施設に入居することで費用がかさみ、経済的に困ってしまう高齢者もいる。年金に加えてあと5万円もらえると、ちょっと豊かな生活ができるのに」という声が届いていたからだ。
ただし、仕事の対価を施設が負担するやり方では、仕事付き高齢者向け住宅の事業は継続しない。「単発のイベントごとではなく長く継続していくために、どういう風に財源を作るかについては検討していかなくてはいけない」と中村氏は言う。
伸こう福祉会としては、質の高い商品やサービスの提案によって対価をもらうという仕事の在り方は崩すべきではないと考えている。ゆくゆくは「5万円の謝礼金をお支払いできるようにすることを目指したい」と荒川氏は話す。
この他に、現場の人員配置も検討すべき課題といえる。今回は、新しいスタッフを雇わずにモデル事業が実施できるよう工夫を凝らした。
例えば、複数の場所で入居者が仕事をすることがないように、「種を植える日」「袋詰めの日」など1日に行うのは1作業と決めた。「3人のスタッフで4~5人の入居者を見守るのが丁度良かった」と荒川氏は振り返る。普段はドライバーや営繕、植栽の仕事を担当してくれる70歳以上の「シルバースタッフ」にも仕事中の入居者を見守る仕事に協力してもらうことで、新しいスタッフを雇わずに対処できた。
今後、現場職員に“仕事付き”の意識が根付けば、仕組みが整って「スタッフを何人も増やさなくてはいけないということにはならないと思う」と荒川氏は見ている。今働いている人数で行えるような仕組みを作りたいとしている。
入居者ができることはたくさんある
今回のモデル事業では、思いもよらぬ発見もあったと両法人は口をそろえる。86~97歳の高齢者が仕事をすることについては、「初めはできるかどうか半信半疑だった」と内田氏は振り返る。しかし、一度作業を教えるとすぐにできるようになっていたという。「没頭していて楽しそうだった」と荒川氏は表現する。
根を詰めすぎてしまうくらいだったので、作業時間を30分の時間で区切ることにした。高齢者を無理に働かせることのないよう配慮した。
仕事に参加した高齢者からは「手応えを感じているような印象を受けた」と伸こう福祉会の柿木景子氏は話す。当初は「私たちが売れる野菜なんて作れるの?」と言っていた人も、仕事に参加するうちに「美味しいから売れるよね」と自信を持つようになっていたという。販売に参加した90歳代の入居者からは「私、販売の仕事向いていたよ」という声まで聞こえた。
介護スタッフとしても新たな発見があったという。仕事をしてもらうことで、「入居者ができることがたくさんあることに気付いた」と中村氏は話す。この気付きを高齢者の可能性を広げることにつなげたいとしている。
今後は他の法人が手掛ける施設とも連携することを視野に入れる。自分ができる範囲で何らかの仕事をしたいと思っている高齢者は多いと考えているためだ。大きなムーブメントを起こして「仕事付き高齢者向け住宅を実現したい」と中村氏は意気込んだ。
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
「仕事付き高齢者向け住宅」ってどんなもの?(昨日付Blogのつづき)
見えてきた課題とは…
モデル事業では課題も見えてきた。仕事をしたことへの「対価」をどう捻出するかという問題である。
農作業に関しては、野菜を販売することで売り上げが発生したため、1回参加するごとに500円の謝礼金を渡すことができたという。保育施設に関しては、「本来は保育士が行う仕事をやってもらったので、浮いた人件費を謝礼金として渡すことを検討したい」(中村氏)としている。
伸こう福祉会では、かねて高齢者の経済面について問題意識を持っていた。高齢者施設の紹介を行っている人から「施設に入居することで費用がかさみ、経済的に困ってしまう高齢者もいる。年金に加えてあと5万円もらえると、ちょっと豊かな生活ができるのに」という声が届いていたからだ。
ただし、仕事の対価を施設が負担するやり方では、仕事付き高齢者向け住宅の事業は継続しない。「単発のイベントごとではなく長く継続していくために、どういう風に財源を作るかについては検討していかなくてはいけない」と中村氏は言う。
伸こう福祉会としては、質の高い商品やサービスの提案によって対価をもらうという仕事の在り方は崩すべきではないと考えている。ゆくゆくは「5万円の謝礼金をお支払いできるようにすることを目指したい」と荒川氏は話す。
この他に、現場の人員配置も検討すべき課題といえる。今回は、新しいスタッフを雇わずにモデル事業が実施できるよう工夫を凝らした。
例えば、複数の場所で入居者が仕事をすることがないように、「種を植える日」「袋詰めの日」など1日に行うのは1作業と決めた。「3人のスタッフで4~5人の入居者を見守るのが丁度良かった」と荒川氏は振り返る。普段はドライバーや営繕、植栽の仕事を担当してくれる70歳以上の「シルバースタッフ」にも仕事中の入居者を見守る仕事に協力してもらうことで、新しいスタッフを雇わずに対処できた。
今後、現場職員に“仕事付き”の意識が根付けば、仕組みが整って「スタッフを何人も増やさなくてはいけないということにはならないと思う」と荒川氏は見ている。今働いている人数で行えるような仕組みを作りたいとしている。
入居者ができることはたくさんある
今回のモデル事業では、思いもよらぬ発見もあったと両法人は口をそろえる。86~97歳の高齢者が仕事をすることについては、「初めはできるかどうか半信半疑だった」と内田氏は振り返る。しかし、一度作業を教えるとすぐにできるようになっていたという。「没頭していて楽しそうだった」と荒川氏は表現する。
根を詰めすぎてしまうくらいだったので、作業時間を30分の時間で区切ることにした。高齢者を無理に働かせることのないよう配慮した。
仕事に参加した高齢者からは「手応えを感じているような印象を受けた」と伸こう福祉会の柿木景子氏は話す。当初は「私たちが売れる野菜なんて作れるの?」と言っていた人も、仕事に参加するうちに「美味しいから売れるよね」と自信を持つようになっていたという。販売に参加した90歳代の入居者からは「私、販売の仕事向いていたよ」という声まで聞こえた。
介護スタッフとしても新たな発見があったという。仕事をしてもらうことで、「入居者ができることがたくさんあることに気付いた」と中村氏は話す。この気付きを高齢者の可能性を広げることにつなげたいとしている。
今後は他の法人が手掛ける施設とも連携することを視野に入れる。自分ができる範囲で何らかの仕事をしたいと思っている高齢者は多いと考えているためだ。大きなムーブメントを起こして「仕事付き高齢者向け住宅を実現したい」と中村氏は意気込んだ。
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