日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &  
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産経ニュース 2018.1.21付
参考URL=http://www.sankei.com/column/news/180121/clm1801210003-n1.html
     年金開始70歳超も 雇用環境の整備が重要だ

 政府が中長期的な指針となる「高齢社会対策大綱」の見直し案で、公的年金の受給開始時期について、70歳を超える選択肢も可能とする方針を打ち出した。

 現行では年金の受給開始年齢は原則65歳とし、本人の希望で60~70歳の間で選択できる。高齢化の進行に対応し、より柔軟な形に転換させるねらいだ。

 受給開始を遅らせれば、毎月の受給額は増える。70歳を超えて受給を開始する場合、さらに上積みを図る考えも示されている。

 人生100年時代の長い老後を考えれば、「働けるうちは働き、将来の受給額を増やす」選択肢は現実的なものといえよう。

 こうした方針の背景には、高齢者の就労を促し、社会の担い手となってもらう考えもある。

 65歳以上の割合は、2050年代には40%近くになると推計される。意欲のある高齢者の就労機会を広げておかなければ、社会そのものが機能しなくなる。

 大綱は「65歳以上を一律に『高齢者』と見る一般的な傾向は、現実的なものでなくなりつつある」と指摘した。高齢者の活躍を推進するのは当然の流れである。

 だが、受給年齢の選択肢を広げれば、自動的に高齢者の就労が進むわけではない。重要なのは、高齢者が能力を発揮できる職場環境を整備することである。

 大綱は、定年延長や雇用延長に取り組む企業への支援の拡大や、ハローワークに「生涯現役支援窓口」を設置することを提言している。融資を含めた高齢者の起業支援にも言及した。

 こうした政策面での後押しは、企業側の取り組みを促す。だが、経営者の理解や努力がなければ、高齢者の雇用は広がらない。

 雇用促進には、仕事の内容や処遇も見直す必要がある。能力に見合わない補助的な仕事に回り、働く意欲を失うケースも多い。一方で、過酷なノルマを課されて健康を害する人もいる。

 大切なのは年齢に関わりなく、個々の能力や体力に応じて仕事を選べるようにすることだ。若い世代がいま行っている仕事の中には、むしろ高齢者が行った方が効果的な業務もあるだろう。

 一律に「高齢者扱い」するのではなく、全世代の働き方を見直す。その中で高齢者を「戦力」として活用できる社会の実現が求められている。

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