生涯現役を貫いた作家のエネルギー
2017年7月12日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
毎日新聞大阪夕刊7/12URL=https://mainichi.jp/articles/20170712/ddf/012/040/006000c
高 崎 元 尚 展 .
先 月 他 界 “ 無 意 味 な 破 壊 ” の 問 い 地 元 高 知 で
先月22日、94歳で他界した美術家の高崎元尚(もとなお)。地元の高知県立美術館(高知市)での個展開幕から間もない悲報だった。展覧会では1972年以降展開された代表シリーズ「破壊」の新作5点を約20年ぶりに発表。戦後の前衛美術グループ「具体美術協会」(具体)の元会員で、生涯現役を貫いた作家のエネルギーがほとばしる。
展示室に敷き詰められた2100個のコンクリートブロックはどれもひび割れ、所々陥没している。「COLLAPSE」と題された本作は鑑賞者がその上を歩くことで表情を変える。恐る恐る足を乗せて踏みしめると、無数の裂け目が足裏を伝って全身を震わせる。
高崎は軍隊生活を経て49年、東京美術学校(現東京芸大)彫刻科を卒業した。高知で学校教員を務めながら「前衛土佐派」などで活動し、66年に具体へ。キャンバスを10センチ四方に裁断して黒い板に並べた「装置」シリーズなどを展開した。
「破壊」ではレンガやブロックをたたき割り、その痕跡を作品化。本展では波形スレートと鉄パイプを組み合わせた高さ4メートルの構造物を壊すなど、戦後の廃虚や震災の遺構を思わせる大作がホワイトキューブを侵食している。破壊行為について、高崎は過去に<目的のない土木作業>と表現していた。徹底した肉体労働が打ち立てた“無意味”のモニュメントは今この時代に何を刻みつけるのか。残された問いをじっくり考えたい。
23日まで。高知県立美術館(088・866・8000)。【清水有香】
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ 活 動 で
ご 支 援 く だ さ る 会 員 皆 様
毎日新聞大阪夕刊7/12URL=https://mainichi.jp/articles/20170712/ddf/012/040/006000c
高 崎 元 尚 展 .
先 月 他 界 “ 無 意 味 な 破 壊 ” の 問 い 地 元 高 知 で
先月22日、94歳で他界した美術家の高崎元尚(もとなお)。地元の高知県立美術館(高知市)での個展開幕から間もない悲報だった。展覧会では1972年以降展開された代表シリーズ「破壊」の新作5点を約20年ぶりに発表。戦後の前衛美術グループ「具体美術協会」(具体)の元会員で、生涯現役を貫いた作家のエネルギーがほとばしる。
展示室に敷き詰められた2100個のコンクリートブロックはどれもひび割れ、所々陥没している。「COLLAPSE」と題された本作は鑑賞者がその上を歩くことで表情を変える。恐る恐る足を乗せて踏みしめると、無数の裂け目が足裏を伝って全身を震わせる。
高崎は軍隊生活を経て49年、東京美術学校(現東京芸大)彫刻科を卒業した。高知で学校教員を務めながら「前衛土佐派」などで活動し、66年に具体へ。キャンバスを10センチ四方に裁断して黒い板に並べた「装置」シリーズなどを展開した。
「破壊」ではレンガやブロックをたたき割り、その痕跡を作品化。本展では波形スレートと鉄パイプを組み合わせた高さ4メートルの構造物を壊すなど、戦後の廃虚や震災の遺構を思わせる大作がホワイトキューブを侵食している。破壊行為について、高崎は過去に<目的のない土木作業>と表現していた。徹底した肉体労働が打ち立てた“無意味”のモニュメントは今この時代に何を刻みつけるのか。残された問いをじっくり考えたい。
23日まで。高知県立美術館(088・866・8000)。【清水有香】
コメント