ZAKZAK by 夕刊フジ転載記事URL=http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20170309/ecn1703090830001-n1.htm

 【定年予備校】 学 び 続 け て 「 生 涯 現 役 」 実 感 
               若 い 世 代 も 一 緒 に 参 加 し て
                          幅 広 い 交 流 の 場 に

 定年後、自分の自由になる時間を使って、大学などで学習する人が徐々にではあるが着実に増えている。

 筆者(富田眞司氏)は大学のエクステンションカレッジや行政関連団体主催の大学で、「生涯現役デビュー講座」や「第2の人生を輝かせる生き方」などの講演を行ってきた。元気な女性シニアが多くて驚かされる一方、男性の参加が少ないことが気になる。

 実際、高齢者の日常生活に関する意識調査(内閣府平成27年3月)によると、シニアが普段の生活で楽しいと感じていることで「教養講座の受講などの学習活動」は6%。だが、今後取り組んでみたい活動では9%に上昇している。学習意欲は着実に拡大しているのだ。

 文部科学省も、「自立」「協働」「創造」の3つをキーワードとする生涯学習社会の実現に向けて動き出している。放送大学の充実・整備、大学での生涯学習活動機会の提供、社会通信教育などを積極的に推進することで、生涯学習の拡大を目指しているのだ。

 定年後に学ぶことは、新しい知識を習得するだけでなく、脳の活性化にも役に立つ。また、若者と一緒に学べる場があれば、世代間の交流も可能になる。

 学び続けることで「生涯現役」であることが実感できるし、学んだことを生かして「教える」ことや、「本や雑誌やネットで発表する」こともできる。学習の成果を示す場があれば、生きるうえでの大きな励みになる。実際、シニアの自費出版は最近増えている。

 シニアが学ぶ場は大学や行政主催のセミナーのほか、民間の各種カルチャースクール、講演会・勉強会、通信教育など数多い。最近は、図書館で読書などを楽しむシニアも増えている。

 学べる内容もさまざまだ。「教養」「趣味」「健康」「ビジネス」など広範囲なジャンルがあり、教養として楽しむものから資格取得を目指すものまで、レベルに応じて知識や能力を身につけることができる。

 筆者が代表をしている一般社団法人「日本元気シニア総研」では、趣味の「マジック教室」「料理教室」から「元気シニアビジネスアドバイザー資格認定講座」まで幅広いセミナーを開催している。元気シニアだけでなく、若い世代も一緒に参加して幅広い世代交流の場にもなっている。

 ■富田眞司(とみた・しんじ) 元気シニアを増やし、日本の復活を目指す「(一社)日本元気シニア総研」代表。「定年予備校」校長。名古屋大卒。『A4・1枚究極の企画書』など企画書関連本を多数執筆。「元気シニアビジネス」に関する講演・執筆も多数行っている。

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