健康・安全・生きがい 三面の老後対策
2017年2月18日 お仕事Zakzak by 夕刊フジ:2017.02.17
ご参考URL=http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20170217/ecn1702171700009-n1.htm
【 介 護 離 職 に 備 え よ 】
生 涯 現 役 で 暮 ら す た め の ポ イ ン ト
「 健 康 、 安 全 、 生 き が い 」
先日、「これからのシニアの暮らし方」というテーマのセミナーで講師をした。参加者は300人以上で、平均年齢は72歳。老後の暮らし方に関心のある親世代の多さに驚いた。
いまはインターネットでどんな情報でも瞬時に手に入る。情報過多の時代だ。にもかかわらず、「真に信頼できる情報がどこにあるのかわからない」という人も増えているように感じる。
年金や医療など社会保障の先行きは不安だし、高齢化だけでなく、人口減少も加速していて経済もどうなるかわからない中で、老後の暮らし方を真剣に考えたい人は、これからますます増えるだろう。
私が講演で強調したのは、生涯現役で暮らすためのポイント。具体的には(1)健康(2)安全(3)生きがい-の3つだ。
三大疾病である悪性新生物(がん)、脳血管疾患、心疾患(高血圧性のものを除く)の年代別の罹患(りかん)者数をみると、60代から増え始め、70代は男女ともに急激に高くなる。50代くらいまでは病気とは無縁でいられても、70代に入ると誰もが三大疾病に罹患する可能性が高くなるのだ。年齢を重ねるうちに「健康」についての意識は高くなる。
「安全」については言うまでもない。高齢者を狙った詐欺や押し売りに加え、自動車や自転車での事故、家の中での事故なども高齢になるとリスクはぐっと高くなる。
3つめの「生きがい」は抽象的だが、ある意味最も重要だ。2014年の内閣府調査の「年齢階級別自殺者数」は60代が4325人と最も多く、70代が3508人、80代でも2457人もおり、高齢者の自殺は想像以上に多い。同じく内閣府が60代以上を対象にした調査をみると、「生きがいを感じていない人の割合」は男性が圧倒的に多くなっている。
生涯未婚や離婚などで孤立化する高齢男性に加え、奥さんを亡くして一人暮らしになった父親世代が生きがいを失うケースも多いかもしれない。
生きがいを感じられないから自殺率が高いと短絡的には言えないが、「毎日あいさつする人がいる」「近所と親しく付き合っている」「困ったときに頼れる人がいる」という高齢者は、生きがいを感じないという割合が低下する傾向がみられるという。
父親が実家で一人暮らしという人は、介護の問題を心配する前に父親の「心のケア」に気を配ってほしい。「俺は一人がいいんだ」と強がっていても、意外と寂しい思いをしているかもしれないのだ。
■大澤尚宏(おおさわ・たかひろ) オヤノコトネット(www.oyanokoto.net)代表取締役。1995年に日本初の本格的バリアフリー生活情報誌を創刊。2008年、「そろそろ親のこと」(商標登録)をブランドにオヤノコトネットを創業し、「高齢期の親と家族」に関わるセミナー講師や企業のマーケティングアドバイザーとして活躍している。
ご参考URL=http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20170217/ecn1702171700009-n1.htm
【 介 護 離 職 に 備 え よ 】
生 涯 現 役 で 暮 ら す た め の ポ イ ン ト
「 健 康 、 安 全 、 生 き が い 」
先日、「これからのシニアの暮らし方」というテーマのセミナーで講師をした。参加者は300人以上で、平均年齢は72歳。老後の暮らし方に関心のある親世代の多さに驚いた。
いまはインターネットでどんな情報でも瞬時に手に入る。情報過多の時代だ。にもかかわらず、「真に信頼できる情報がどこにあるのかわからない」という人も増えているように感じる。
年金や医療など社会保障の先行きは不安だし、高齢化だけでなく、人口減少も加速していて経済もどうなるかわからない中で、老後の暮らし方を真剣に考えたい人は、これからますます増えるだろう。
私が講演で強調したのは、生涯現役で暮らすためのポイント。具体的には(1)健康(2)安全(3)生きがい-の3つだ。
三大疾病である悪性新生物(がん)、脳血管疾患、心疾患(高血圧性のものを除く)の年代別の罹患(りかん)者数をみると、60代から増え始め、70代は男女ともに急激に高くなる。50代くらいまでは病気とは無縁でいられても、70代に入ると誰もが三大疾病に罹患する可能性が高くなるのだ。年齢を重ねるうちに「健康」についての意識は高くなる。
「安全」については言うまでもない。高齢者を狙った詐欺や押し売りに加え、自動車や自転車での事故、家の中での事故なども高齢になるとリスクはぐっと高くなる。
3つめの「生きがい」は抽象的だが、ある意味最も重要だ。2014年の内閣府調査の「年齢階級別自殺者数」は60代が4325人と最も多く、70代が3508人、80代でも2457人もおり、高齢者の自殺は想像以上に多い。同じく内閣府が60代以上を対象にした調査をみると、「生きがいを感じていない人の割合」は男性が圧倒的に多くなっている。
生涯未婚や離婚などで孤立化する高齢男性に加え、奥さんを亡くして一人暮らしになった父親世代が生きがいを失うケースも多いかもしれない。
生きがいを感じられないから自殺率が高いと短絡的には言えないが、「毎日あいさつする人がいる」「近所と親しく付き合っている」「困ったときに頼れる人がいる」という高齢者は、生きがいを感じないという割合が低下する傾向がみられるという。
父親が実家で一人暮らしという人は、介護の問題を心配する前に父親の「心のケア」に気を配ってほしい。「俺は一人がいいんだ」と強がっていても、意外と寂しい思いをしているかもしれないのだ。
■大澤尚宏(おおさわ・たかひろ) オヤノコトネット(www.oyanokoto.net)代表取締役。1995年に日本初の本格的バリアフリー生活情報誌を創刊。2008年、「そろそろ親のこと」(商標登録)をブランドにオヤノコトネットを創業し、「高齢期の親と家族」に関わるセミナー講師や企業のマーケティングアドバイザーとして活躍している。
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