私たち「日本生涯現役推進協議会」が注目する民官各種団体の「生涯現役社会づくり」に関する様々な発表成果を下記のように紹介報告いたします。今回の岐阜版「生涯現役社会づくり」OKB総研創立20周年企画資料の下記文中で省略の図表は、本文URL=http://www.okb-kri.jp/_userdata/pdf/report/162-20th.pdf での該当図表をご高照願います。
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OKB総研創立20周年企画  
  人 口 減 少 社 会 へ 立 ち 向 か う
    ~ 「 清  流  の  国  ぎ  ふ 」 の 創 生 ~

 岐阜版 生 涯 現 役 社 会 の 実 現 に 向 け て
    ― 総 合 支 援 拠 点 づ く り と シ ル バ ー 人 材 セ ン タ ー の 活 用

【 目  次 】
1.  は じ め に
2.  1 9 9 5 年 以 降 に お け る 高 齢 者 の 就 業  状 況
3.  高 齢 者 及 び 企 業 の 意 識 や 考 え と 国 の 施 策
4.  福 岡 県 に お け る  7  0  歳 現 役 社 会 づ く り
5.  岐 阜 県 版 生 涯 現 役 社 会 実 現 を 目 指 し て
6.  お わ り に

1.  は じ め に
  2015年国勢調査の人口速報値において、我が国の総人口は、1920年の調査開始以来初めて前回調査比で減少した。ただし、生産年齢人口と呼ばれ、生産活動の中核をなす15~64歳の人口は、1995年から減少しており、減少開始から既に20年以上が経過している。
  生産年齢人口について、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060年までの間、少ない年でも岐阜市の人口に相当する40万人超、2030年代半ばから2040年にかけては、毎年100万人超の減少が続く(図表1※年齢3区分人口推移将来推計(前年比増減数)省略)。
  このような大幅な減少が長期間にわたることが予想されるなか、これまで労働市場への参加が少なかった、高齢者、女性そして外国人労働者の活躍が求められている。
  本稿では、労働市場において活躍が期待される高齢者が、いきいきと活躍できる岐阜県版生涯現役社会の実現について提案する。

2. 1 9 9 5 年 以 降 に お け る 高 齢 者 の 就 業 状 況
  まずは、生産年齢人口の減少が始まった1995年以降について、高齢者(65歳以上)の就業状況を国勢調査の結果をもとに見る。なお、2015年の国勢調査の結果のうち就業状況等に関する調査結果は2017年4月公表予定のため、1995年から2010年までの推移を見る。
(1) 全 国  
  全国における、1995年から2010年までの高齢者(65歳以上)の就業者数は、男性が66万人(298万人→364万人)、女性が64万人(167万人→231万人)、あわせて130万人増加している。これは、この間の15~64歳の就業者数の減少数583万人の約2割に相当する(図表2※年齢別・性別就業者数推移(全国)省略)。
  高齢者(65歳以上)の就業者数は増加したものの、高齢者(65歳以上)の人口の増加がより大きいことから、この間、高齢者(65歳以上)の就業率は、男女ともに低下している(図表3※年齢別・性別就業率推移(全国)省略)。
(2) 岐 阜 県
  次に、岐阜県の就業者数の推移を見てみる。高齢者(65歳以上)の就業者数は、男性は0.7万人(5.9万人→6.6万人)、女性は0.8万人(3.3万人→4.1万人)、あわせて1.5万人増加している。これは、この間の15~64歳の就業者数の減少数10.5万人の約1.5割に相当する(図表4※年齢別・性別就業者数推移(岐阜県)省略)。
(3) 全 国 と 岐 阜 県 の 比 較
  ここで、全国と岐阜県の高齢者(65歳以上)の就業者数、就業率を比較する(図表5※高齢者の就業者数・就業率比較 省略)。1995年から2010年における高齢者(65歳以上)の就業者数の増加率(男女計)は、全国が28.1%であったのに対し、岐阜県は16.6%と全国を10ポイント以上下回る。また、男性、女性ともに、全国の増加率を下回っている。
  就業率(男女計)は、全国が25.4%から20.4%へと5.1ポイント減少、岐阜県は28.6%から21.5%へと、7.1ポイント減少している。岐阜県の高齢者(65歳以上)の就業率は2010年時点において全国を上回っているものの、1995年と比較するとその差は縮まっている。
  1995年と2010年の高齢者(65歳以上)の就業率を見ると、愛知県は18位から4位、三重県は33位から20位へと順位を上げているのに対し、岐阜県は8位から12位へとわずかではあるが後退している(図表6※高齢者の都道府県別就業率 省略)。
  さらに、高齢者(65歳以上)の就業率を年齢階級別に詳しく見ると、岐阜県は、65~69歳は9位から8位と順位が上がっている。一方、70~74歳は13位から15位に後退、75歳以上は、14位から32位へと大きく後退、2010年時点で全国を下回る(図表7※高齢者の都道府県別年齢階級別就業率 省略)。
  岐阜県において高齢者の労働市場への参加を増やしていくためには、70歳以降の高齢者の就業を促進していくことが必要と考える。   つづく

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