奇 跡 を 生 み 出 す 生 涯 現 役
      第 1 3 弾 「 生 涯 現 役 と 脳 の 健 康 」
                      2016・1・28  高橋育郎

 1月27日の「生涯現役シリーズ塾」 第361回にて、5人のスピーカーの一人として、表題の件について10分間スピーチをおこないました。
 せっかく頂いた機会ですから、語り切れない部分もあり、補う意味からもスピーチの内容をここに掲載させていただきました。
 最近、「生涯健康脳」という言葉を耳にします。脳を健康に保つことが長寿の秘訣ということですね。
 私は平成6年に、代表から言われて「生涯現役音頭」を作りました。そこには「健康第一」と歌っています。健康であることが生涯現役の実践になるということ。健康のためには身体の強化に努め、栄養補給にこころがけることが、もちろん大切ですが、ここに脳を鍛えることの大切さが脳学者により立証されました。生涯現役のためには、脳の健康に心がけることが絶対要件であることに着目し、意識して健康脳に心がけてほしいと思う次第です。

 さて、頭脳の中で大部分を占めているのが大脳で、ほかに小脳、間脳、海馬などがあります。その大脳は、左脳と右脳に分かれていて、左脳は言語脳。右脳は音楽脳と呼ばれ、左脳は日常生活で会話をしたり、買い物をしたりするときに使う。従って、特に意識しなくても使っているので、これを日常脳といっています。
 これに対し右脳は音楽脳と呼んでいる。音楽を聴いたり歌を歌ったりするときに使う。ただし音楽だけではない。芸術全般であり、また文学作品などの読書をするときに使う。だから、意識しないと働かない脳であり、非日常脳と呼びます。
 鑑賞も大事だが、手足を働かせての楽器の演奏。絵を描いたり、書を書いたり、また文章を綴ること。詩、短歌、俳句などの創作がいいですね。これらは脳の活性化に非常に効果的です。
 では、ここで何故このことを言ったのか。それは、左脳と右脳がバランスよく保たれていなければならないことを言わんがためです。
 人間は二本の脚で立っている。一本脚になるとバランスが崩れて立っていられなくなる。このようにバランスが大切で必要です。眼も耳も、鼻の孔も二つ。心臓も左弁、右弁があり、肺も二つというように、身体の器官は、二つがよりそって機能を果たしている。
 バランスは美に通じます。美の字自体、左右対称でバランスを持っていますね。そして美は健康に通じます。
 というわけでバランスを保っていることがいかに大切か。だから、右脳を意識して使うようにしないといけないわけだ。
 私は昭和63年12月にLVCに入会しましたが、そのとき代表から示された本は、一つは代表が自ら書き下ろした「ライフ・ベンチャーのすすめ」。もう一つが城野宏の脳力開発です。脳力開発はものごとを正しくみて、正しく判断して行動を起こそうというものです。
正しい判断がなければ、ものごとは歪みを生じ、偏った見方になってしまう。
 釈迦は「偏らない心、こだわらない心」を言っています。こうした心は偏見を生み、人との交わりがうまくいかず、争いの種となる。だから、飛躍した言い方になるが脳力開発は平和を生み出す心に通じるのです。世界は戦争が絶えない。それは心の歪み、偏りから来ていると思います。
 それから、もう一つ言いたいのは、海馬です。頭の中に海の馬など、得体の知れぬものが、2頭、大脳の下側、両サイドにいるなんて、びっくりポンですが、この海馬は記憶を司っています。海馬が衰えるとどうなるか。それは、近年問題になっている認知症になってしまうことです。高齢化社会に認知症患者が増えてきて社会問題になっていますが、認知症では生涯現役は果たせない。だから海馬を鍛えることは大切なのです。音楽は以前聞いた曲ですと即座に当時のことを思い出させます。
 ところで、脳細胞は歳とともに減っていくというのが常識でしたが、近年、よく使えばさほど減らずに済むし、特に海馬は減ることがないといわれるようになりました。朗報ですね。
 私はLVCのおかげで、平成4年12月に「歌の会」を始めることができました。歌は健康に通じることを意識しながら取り組んでいましたが、26年4月に、はっきり具体的に「歌は力。歌は健康」をモットーにしました。
 そこで、印刷物を会員の皆さんに手渡しました。そこには*歌うことは、脳を活性化し、ストレスを発散させ、高齢化によるさまざまな病弊を予防する効果がある。特に思い出の歌や、知っている歌をうたうと脳内の快楽ホルモンであるドーパミン。中でも最高のベーター・エンドルフィンの分泌が盛んになり、緑豊かな野山を歩く爽やかさに満たされ、若返り効果が発揮される。
*姿勢をよくし、大きな声で歌って、軽い体操を行えば血行がよくなり、身体が活性化して楽しさが倍加して、健康効果がより高まる。といったことをいっています。

 音楽の場合、歌うことは勿論、楽器の演奏がいいですね。ピアノを例にすれば、指でキーを叩く。左指でメロディーを弾き、右指で伴奏を弾きます。左右同時に違った動きをするのがいいのです。右手で丸を書き、同時に左手で三角を書くのがいいでしょう。
 そのうえ足でペダルを踏みます。音に響きを持たせるためですが、手と合わせて足までリズムに合わせて動かすのですから運動神経を使い、脳は最高度に活動します。

 こうして、「音楽は百利あって、一害なし」と言われるまでになりました。
 私が音楽をやっているから、我田引水だなんて言わないでください。どうぞ信じてください。どうぞ音楽への偏見をお持ちでしたら、拭い去ってください。生涯現役のためです。

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