従 来 に 比 べ 、 
       モ デ ル サ イ ズ を 1 / 5 0、
             学 習 計 算 量 を 1 / 1 4 に 削 減

三 田: 「RAPID機械学習」の特長について、もう少し詳しく教えていただけますか?

友 永: 実はNECの北米研究所では、10年以上も前から機械学習技術をずっと研究しています。もちろん、ディープラーニングの研究も盛んです。「RAPID機械学習」はそこで開発された技術をコアエンジンにしていますので、演算の仕方やアルゴリズムなどで多くの工夫が凝らされていて、高速・省メモリに動作するという特長があります。

藤 重: 例えば、北米研究所の検証では、従来の画像認識手法(競合最高位)と比べて、「RAPID機械学習」は、精度を劣化させることなく、モデルサイズを約50分の1、学習計算量を約14分の1に削減できることがわかっています。

三 田: すごい! ということは、例えばパソコンなどでもさくさく動かせるということですね。

友 永: さらにもうひとつ、NECが他社と大きく差異化できる要素があります。

三 田: どういったことでしょう?

友 永: 一般的にディープラーニングのソフトウェアは、オープンソース(※)で作られているものがほとんどです。有名なものはいくつかありますが、そのうちのひとつに「Torch(トーチ)」というものがあります。その最新バージョンを、グーグルやフェイスブック、ツイッターなども利用しているのですが、 実はこの「Torch」は、もともとNECの北米研究所が開発したものなのです。【 ※ソフトウェアの設計図であるソースコードを一般に無償公開しているソフトウェアのこと。】

三 田: え! そうなんですか!NECが開発したオープンソースをいろんな会社で使っているとは知りませんでした。

友 永: 北米研究所のホームページ(※)を見てもらうと、「Torch 5」に関する情報が公開されています。「RAPID機械学習」は、その「Torch」をベースに開発されているので、一日の長ではないですが、先進性という面でも、競合他社とは大きく差異化できていると考えています。

  さ ま ざ ま な 場 面 で 、
        高 度 な “ 判 断 業 務 ” を 支 援 し 、 
               業 務 を 効 率 化 !

三 田: 「RAPID機械学習」がどのように活用できるのか、具体的に教えていただけますか?

藤 重: 従来、人がしていた高度な判断を、機械に代わりにしてもらったり、支援してもらったりといった用途で使えます。さまざまな用途で使えるのですが、特にニーズが高いのは「画像解析」と「人材マッチング」です。

三 田: 「画像解析」と「人材マッチング」ですか? どういった使い方をするのでしょう?

藤 重: まず「画像解析」についてご紹介しますね。例えば海外では、ひったくりなどを防止するため、二人乗りバイクを防犯カメラの映像から検知したいというニーズがあります。「RAPID機械学習」で、カメラ映像から二人乗りバイクが通った場面やそうでない場面を学習させておくと、防犯カメラに二人乗りのバイクが映ったときに検知し、監視者にアラームなどで知らせることができます。
友永今までは、監視員が24時間張り付いて監視しなければいけなかったのが、機械が支援することで、監視員はアラームが上がったときだけ対応すればよくなります。また、少人数で監視すればよくなるので、人件費を減らすことにもつなげられるかもしれませんし、より広範囲に監視することもできるようになります。

三 田: それは警備会社なんかにはうれしいことですね!

藤 重: このほかにも、店舗内の監視カメラの映像から万引きしそうな人を見つけたり、工場の検品用のカメラ画像から不良品を検知したり、医療の診断精度を向上させたりといったさまざまな用途に使えます。ちなみに、医療の例は同じ北米研技術を用いた「e-Pathologist」もNECから製品化されています。がんの診断で使われますね。

友 永: 「RAPID機械学習」の画像解析を使えば、例えば、「楽しそう」とか「悲しそう」など、もっとあいまいな気分といったものも、カメラの画像や映像などから判別できるようになるかもしれません。人間が着眼点を教えにくいのだけど、でもなぜか人間には判別できるもの、そういったものと非常に相性のいい技術であると私たちは考えています。

三 田: 顔の表情ですと、例えばテレビ番組や映画が、視聴者に受けているかどうか調べるのに使えるかもしれませんね! では、「人材マッチング」での使い方は?

友 永: 「人材マッチング」は、適応分野としては主に人材仲介業や企業人事部です。例えば、中途採用の求職者さんと求人企業のマッチングですね。あとは、一般企業さんが新卒者を採用する際に、求職者をある程度フィルタリングして採用する人の作業を軽減するといった用途になります。       

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