■ あ な た の 老 後 は ミ ゼ ラ ブ ル ?
               そ  れ  と  も  ・ ・ ・ ・
 
 高齢者福祉は、これまでの間に様々な形で整備が進み、長い間、政策も議論されてきました。決して新しいテーマではありません。しかし、現役世代には、将来、少子化の急速な進行によって新たな局面が襲いかかってきます。

 社会保障・人口問題研究所の森田朗所長によれば、日本の人口減少は加速し、現在でも1年間に30万人程度の人口が減っているとのこと。つまり2年で鳥取県1県分の人口が日本からいなくなっているそうです。

 約20年前、筆者が某新聞社の記者として初めて赴任したのが鳥取県でした。当時から人口が約60万人と少なく、かつ高齢化が進んでいる地域の1つでした。あの人数が2年ごとに丸ごといなくなっていく。20年後を想像した筆者は、背筋が寒くなりました。

 急増する孤独死、認知症が原因のトラブル多発、高齢者に絡む犯罪の急増。社会保障費は膨張し、担い手の急減による制度の行きづまりが問題になっています。

 日経ビジネス9月14日号の特集は「あなたに迫る 老後ミゼラブル」。特集班は、現代日本が直面している「現実」の背景、そして誰もが転落リスクを抱える不透明な未来について、団塊ジュニア世代が高齢者になる2040年を見据えながら徹底取材しました。11日からスタートしているオンラインでの連動連載も、引き続き公開していく予定です。

 現役世代が高齢者になっていく20~30年後が、ミゼラブル(哀れ、みじめ)なものになるのか、それとも皆で知恵を出し合い、困難に立ち向かっていけるのか。

 他人事ではありません。
                   (日経ビジネスオンライン 広野 彩子)

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