【従業員の心の健康を守る】──────────────────────
 第2回 自 分 の 健 康 は 自 分 で 守 る
     ~新入社員から経営者まで立場に関係なく自己防衛を~

  心の病について語られる時、真面目で几帳面など、病気になりやすいタイプや性格があると言われることがあります。自分がそういったタイプにあてはまると考える人は気を付けようとするかもしれませんが、自分はそういったタイプではないと思っている人は、防衛意識が低くなる危険性があります。いずれにせよ、メンタルヘルスを個人のタイプや性格で考えてはいけません。「自分は病気になるタイプではない」と考えている人の場合は、次の二つの理由から、より注意が必要です。

 (1)真面目で几帳面な人でなくても、メンタルヘルスを害することがある
 (2)本人の自己認識が異なっており、表面上はともかく、実は真面目で 几帳面な性格である

  体の病と比較すると、心の病は医学的な研究や治療法がまだまだ発展途上にあります。「真面目で几帳面な人が病気になった」という事実があったとしても、そうでないタイプの人が病気にならないとは証明されていないのです。メンタルヘルスを維持・増進していくためには、誰もが不調になる危険性を自覚し、新入社員も経営者も、そしてもちろん人事パーソンも、全員が「自分のこと」として考えることが重要です。

  前回ご紹介した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中でも、自分で自分の健康を守ることが強調されています。この指針ではメンタルヘルス対策の実際の活動として、以下の「四つのケア」があげられています。

 1.セルフケア
 2.ラインによるケア(職場の上司や管理職によるケア)
 3.事業場内産業保健スタッフによるケア
  (産業医などの専門スタッフによるケア)
 4.事業場外資源によるケア(病院や社外の専門家などと連携して行うケア)

  この中でセルフケアは最も基本的、かつ最も重要な取り組みです。そして、従業員全員が自分の健康を自分で守るという意識を持つためには、人事パーソンによるサポートが必須となります。特に、下記のような偏見を抱いている人に対しては勉強会などを開催し、理解の促進を行なう必要があります。

 ・「自分に限って心の病にはならない」と思っている人
 ・「心の病は気の持ちようで治る」と思っている人
 ・「心の病にかかるのは弱いからだ」と思っている人

  人事パーソンである皆さんも含めて、自分の健康は他人任せにせず自分で守るという意識を持つことが、何よりもの防止策となるのです。

<今週の一言>
「自分にも他人にもいたわりを持ち、心の健康を守るべし!」
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