20150709付 J.I.Mail News No.713 ご紹介
2015年7月12日 お仕事■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
J.I.メールニュース No.713 2015.07.09 発行
「 他 人 事 を 自 分 事 に す る に は 」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
<巻頭寄稿文>
「 他 人 事 を 自 分 事 に す る に は 」
特定非営利活動法人 しあわせなみだ
理事長 中 野 宏 美
JIフォーラムに通い始めて、早15年になります。構想日本の「正しいことをいつまでも真面目に一生懸命やっている」ところが好きで、今に至ります。
そんな中、4月23日に開催された 第211回J.I.フォーラム「『暴力・虐待』とどう向き合うか ~少年の殺人や子どもの虐待を繰り返さないために~」の参加者数は、残念ながら定員を下回りました。
私はレイプやわいせつ等の性暴力をゼロにするために、活動しています。ですから、「暴力に関するイベントに人が集まらない」というのは、他人事ではありません。
そこで、どうすれば次回、暴力・虐待をテーマにしたJIフォーラムで、会場が満席になるかを考えてみました。
(1) 議員の政策論争の1テーマとして、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、「個人的な問題」ではなく「社会問題」であり、政策課題として取り組んでいくことが、求められます。構想日本の会員の方は、政治・政策・行政への関心が高そうなので、議員の話を聞くために、お越しいただけるのではないでしょうか。
(2) 「幸福権」「生存権」といった「人権」の観点から、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、人権を侵害する行為です。構想日本の会員の方は、法や制度に対する見識の高い方が多いように思うので、法制度が理想とする人権の尊重と、暴力・虐待が起こっている現状との乖離を踏まえた議論は、盛り上がるのではないでしょうか。
(3) フォーラム告知文で、暴力・虐待が自分のすぐ身近にあることを伝える
「毎日202人の子どもが、虐待で児童相談所に通報されている(※1)」「3.5日に1人、配偶者間殺人が起こっている(※2)」「女性の15人に1人は、異性から無理矢理性交された経験がある(※3)」等、暴力・虐待を数字で示すと、構想日本の会員の方は、論理的に物事を捉える方が多いように思うので、関心を持っていただけるのではないでしょうか。
また「参加費を無料にする」(一般の参加費2,000円は、すべての人にとって気軽に払える価格というわけではない)、「開始時間を遅らせる」(18:30までに会場に来られるビジネスパーソンは限定的)というのも、有効かもしれません。
「なんでこんなくだらないことを一生懸命考えているのか」と思われたかもしれません。
しかし、それほどまでに私たちは「暴力・虐待」に関心を持っていただくこと、そして自分たちの活動を応援していただくことに、日々試行錯誤しています。とりわけ私が取り組んでいる性暴力は、「性」が絡むので、言葉だけでシャットアウトされてしまうことも、少なくありません。
「暴力・虐待は興味がない」という方。それはなぜですか。
「こういうアイディアはどうかなぁ」という方。それはどのようなものですか。
暴力・虐待に向き合う人を増やすためには、どうすればよいでしょうか。ぜひ「読者の声」をお寄せください。そして、この社会から暴力・虐待をなくす仲間になってください。よろしくお願いいたします。
※1 厚生労働省「平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数等」:全国207か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は73,765件
※2 警察庁「平成 26 年中のストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」:「配偶者の殺人」で検挙されたのは102人
※3 内閣府「男女間における暴力に関する調査(平成26年度調査)」:「異性から無理矢理性交された経験がある」と回答した女性は6.5%
-------------------------------------------------------------------------------------------------
【中野宏美(なかの・ひろみ)プロフィール】
1977年生まれ。社会福祉士。精神保健福祉士。普段は公的機関で、低所得者向けの資金貸付等を担当。一方で「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目指して、2009年「しあわせなみだ」を立ち上げる。2011年にNPO法人化。
しあわせなみだウェブサイト→http://shiawasenamida.org/
-------------------------------------------------------------------------------------------------
代表 加藤の一言
中 野 さ ん 。 構想日本で工夫しないといけないことについて、いろいろご提案を頂き、感謝しています。
(1)の、本来「社会問題」であるのに「個人的問題」として扱われているという指摘は、とても重要だと思います。
暴力や虐待そのものを私たちみんなが自分事として考えないといけないですし、さらに、その原因をたどっていくと現代の経済、社会のあり方に行きつきます。
「暴力・虐待は社会問題」というテーマで一度フォーラムを考えたいと思います。まずは、一人でも多くの方からご意見を頂けますようお願いします。
--------------------------------------------------------------------
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。
http://www.kosonippon.org/mail/index.php
J.I.メールニュース No.713 2015.07.09 発行
「 他 人 事 を 自 分 事 に す る に は 」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
<巻頭寄稿文>
「 他 人 事 を 自 分 事 に す る に は 」
特定非営利活動法人 しあわせなみだ
理事長 中 野 宏 美
JIフォーラムに通い始めて、早15年になります。構想日本の「正しいことをいつまでも真面目に一生懸命やっている」ところが好きで、今に至ります。
そんな中、4月23日に開催された 第211回J.I.フォーラム「『暴力・虐待』とどう向き合うか ~少年の殺人や子どもの虐待を繰り返さないために~」の参加者数は、残念ながら定員を下回りました。
私はレイプやわいせつ等の性暴力をゼロにするために、活動しています。ですから、「暴力に関するイベントに人が集まらない」というのは、他人事ではありません。
そこで、どうすれば次回、暴力・虐待をテーマにしたJIフォーラムで、会場が満席になるかを考えてみました。
(1) 議員の政策論争の1テーマとして、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、「個人的な問題」ではなく「社会問題」であり、政策課題として取り組んでいくことが、求められます。構想日本の会員の方は、政治・政策・行政への関心が高そうなので、議員の話を聞くために、お越しいただけるのではないでしょうか。
(2) 「幸福権」「生存権」といった「人権」の観点から、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、人権を侵害する行為です。構想日本の会員の方は、法や制度に対する見識の高い方が多いように思うので、法制度が理想とする人権の尊重と、暴力・虐待が起こっている現状との乖離を踏まえた議論は、盛り上がるのではないでしょうか。
(3) フォーラム告知文で、暴力・虐待が自分のすぐ身近にあることを伝える
「毎日202人の子どもが、虐待で児童相談所に通報されている(※1)」「3.5日に1人、配偶者間殺人が起こっている(※2)」「女性の15人に1人は、異性から無理矢理性交された経験がある(※3)」等、暴力・虐待を数字で示すと、構想日本の会員の方は、論理的に物事を捉える方が多いように思うので、関心を持っていただけるのではないでしょうか。
また「参加費を無料にする」(一般の参加費2,000円は、すべての人にとって気軽に払える価格というわけではない)、「開始時間を遅らせる」(18:30までに会場に来られるビジネスパーソンは限定的)というのも、有効かもしれません。
「なんでこんなくだらないことを一生懸命考えているのか」と思われたかもしれません。
しかし、それほどまでに私たちは「暴力・虐待」に関心を持っていただくこと、そして自分たちの活動を応援していただくことに、日々試行錯誤しています。とりわけ私が取り組んでいる性暴力は、「性」が絡むので、言葉だけでシャットアウトされてしまうことも、少なくありません。
「暴力・虐待は興味がない」という方。それはなぜですか。
「こういうアイディアはどうかなぁ」という方。それはどのようなものですか。
暴力・虐待に向き合う人を増やすためには、どうすればよいでしょうか。ぜひ「読者の声」をお寄せください。そして、この社会から暴力・虐待をなくす仲間になってください。よろしくお願いいたします。
※1 厚生労働省「平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数等」:全国207か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は73,765件
※2 警察庁「平成 26 年中のストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」:「配偶者の殺人」で検挙されたのは102人
※3 内閣府「男女間における暴力に関する調査(平成26年度調査)」:「異性から無理矢理性交された経験がある」と回答した女性は6.5%
-------------------------------------------------------------------------------------------------
【中野宏美(なかの・ひろみ)プロフィール】
1977年生まれ。社会福祉士。精神保健福祉士。普段は公的機関で、低所得者向けの資金貸付等を担当。一方で「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目指して、2009年「しあわせなみだ」を立ち上げる。2011年にNPO法人化。
しあわせなみだウェブサイト→http://shiawasenamida.org/
-------------------------------------------------------------------------------------------------
代表 加藤の一言
中 野 さ ん 。 構想日本で工夫しないといけないことについて、いろいろご提案を頂き、感謝しています。
(1)の、本来「社会問題」であるのに「個人的問題」として扱われているという指摘は、とても重要だと思います。
暴力や虐待そのものを私たちみんなが自分事として考えないといけないですし、さらに、その原因をたどっていくと現代の経済、社会のあり方に行きつきます。
「暴力・虐待は社会問題」というテーマで一度フォーラムを考えたいと思います。まずは、一人でも多くの方からご意見を頂けますようお願いします。
--------------------------------------------------------------------
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。
http://www.kosonippon.org/mail/index.php
コメント