井上 仁氏:フクシマ復興応援の一年間
2015年5月22日 お仕事日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会 &
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ の
ご 支 援 く だ さ る ご 関 係 ・ 会 員 の 皆 様 へ
皆様から日ごろフクシマ復興再生へお寄せ戴いていますご支援にあらためて感謝申し上げます。この度のフクシマメールマガジン「FMM No.16」は、代表吉川謙造の「この1年間の活動を振り返って」とさせて戴きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
FMM No.16
この1年間の活動を振りかえって
フクシマ復興応援ネットワーク 代表 吉川 謙造
フクシマ復興応援ネットワークが発足して1年が経過しました。多くの方々のご支援、ご協力を戴きながら活動を続けてまりましたが、まだまだその役割が十分に果たせたとは言えない状態です。というより、はるかに遠い道のりと言わざるをえません。それでも本ネットワークは、フクシマが直面している多くの課題の中から代表的な13のテーマを上げ、その現状についてできるだけ正確かつ詳細な情報の収集、発信をするよう心がけてまいりました。
フクシマ復興には、多くの課題に同時並行的に取り組まなければなりません。しかし、初年度に何か一つでも復興のシンボルになる前向きな活動ができたらと考え、「フクシマはもともと農業県。避難生活をする被災農家の皆さんが原発被曝の悲惨さを克服し、自然と一体となった安全・安心で健康な農作物をつくる農業で、元気と誇りを取り戻してほしい」という思いを込めて、「フクシマ再生農業」の開発と導入に焦点をあてた活動に取り組んでまいりました。
特に、農水省が環境保全型と認定する「深層土壌加温方式」と硫安等の化学肥料や農薬を使わない「自然有機栽培」を一体化した農法を「環境保全型フクシマハウス有機農法」と命名し、当農法の実証栽培に向けた準備と原発被災農家の参加を支援するための資金公募を行ってきました。
このたび、これまで皆さんからお寄せいただいた支援金を原資として、原発被災農家の当農法へのさらなる参加拡大を支援する「フクシマ再生農業基金」を設立させていただきました。 詳しくは、次のをサイトをご参照ください。「http://www.belhyud.com/001.htm」
もちろん、これ一つで地域の産業と雇用問題が解決できるものではありませんが、フクシマの復興は先ず、第一次産業からと考え、風評被害で苦しむ「フクシマ農業」の再生を最優先課題としました。地域に根付いた農業が復活すれば、人も戻り、商店など2次、3次産業と地域コミュニティの復活へと結びつくことを期待しています。あらためて、今後の皆様のご支援を宜しくお願い致します。
その一方で、誠に残念なことですが、帰宅困難区域はまだ広大で、何時になったら帰還できるか見通しさえついていません、今も10万人を超える皆さんが仮設住宅居等で避難生活を送っています。除染の完了宣言が出た時、どれくらいの住民がもとの生活に復帰するかは誰にも予想できません。
また、東北3県の震災関連死者数の推移が公表されています。岩手県は200人から400人どまり、宮城県は600人から700人どまりですが、福島県は800人から1800人へとズバ抜けた数字になっています。問題は今も増え続けており、この数字は既に津波による直接死者、行方不明者数を超えようとしていることです。この点からもフクシマの災害は終わっていない、進行中とさえ言えます。
被災4年が経過して、除染土の中間貯蔵施設建設はよおやく動き出しました。しかし、最終処分地については、まだ何も決まっておらず、仮置き場には膨大な除染土が残されままというのが現状です。これに加えて、当初まったく想定していなかった汚染地下水の問題があります。爆発を起こした原子炉建屋の下に、毎日多量の地下水が流入し、高濃度放射能に汚染されています。これは海に放出できないため、地下水の流入を減少させる止水工事が検討されています。東京電力は凍土壁工法を採用し、今後この工事を本格化させるとしていますが、種々の理由から検討期間が長引き、4年経っても本格的な工事開始は大幅に遅れたままです。
現地では懸命の努力が続けられていますが、先ずは早期に汚染地下水問題を解決し、廃炉工事の速やかな進展とともに、福島県の第一次産業が汚染の風評被害から一日も早く解放されることを祈るものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5月8日
フクシマ復興応援ネットワーク
事務局 井上 仁 http://www.belhyud.com/00.htm
NPO法人 ラ イ フ ・ ベ ン チ ャ ー ・ ク ラ ブ の
ご 支 援 く だ さ る ご 関 係 ・ 会 員 の 皆 様 へ
皆様から日ごろフクシマ復興再生へお寄せ戴いていますご支援にあらためて感謝申し上げます。この度のフクシマメールマガジン「FMM No.16」は、代表吉川謙造の「この1年間の活動を振り返って」とさせて戴きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
FMM No.16
この1年間の活動を振りかえって
フクシマ復興応援ネットワーク 代表 吉川 謙造
フクシマ復興応援ネットワークが発足して1年が経過しました。多くの方々のご支援、ご協力を戴きながら活動を続けてまりましたが、まだまだその役割が十分に果たせたとは言えない状態です。というより、はるかに遠い道のりと言わざるをえません。それでも本ネットワークは、フクシマが直面している多くの課題の中から代表的な13のテーマを上げ、その現状についてできるだけ正確かつ詳細な情報の収集、発信をするよう心がけてまいりました。
フクシマ復興には、多くの課題に同時並行的に取り組まなければなりません。しかし、初年度に何か一つでも復興のシンボルになる前向きな活動ができたらと考え、「フクシマはもともと農業県。避難生活をする被災農家の皆さんが原発被曝の悲惨さを克服し、自然と一体となった安全・安心で健康な農作物をつくる農業で、元気と誇りを取り戻してほしい」という思いを込めて、「フクシマ再生農業」の開発と導入に焦点をあてた活動に取り組んでまいりました。
特に、農水省が環境保全型と認定する「深層土壌加温方式」と硫安等の化学肥料や農薬を使わない「自然有機栽培」を一体化した農法を「環境保全型フクシマハウス有機農法」と命名し、当農法の実証栽培に向けた準備と原発被災農家の参加を支援するための資金公募を行ってきました。
このたび、これまで皆さんからお寄せいただいた支援金を原資として、原発被災農家の当農法へのさらなる参加拡大を支援する「フクシマ再生農業基金」を設立させていただきました。 詳しくは、次のをサイトをご参照ください。「http://www.belhyud.com/001.htm」
もちろん、これ一つで地域の産業と雇用問題が解決できるものではありませんが、フクシマの復興は先ず、第一次産業からと考え、風評被害で苦しむ「フクシマ農業」の再生を最優先課題としました。地域に根付いた農業が復活すれば、人も戻り、商店など2次、3次産業と地域コミュニティの復活へと結びつくことを期待しています。あらためて、今後の皆様のご支援を宜しくお願い致します。
その一方で、誠に残念なことですが、帰宅困難区域はまだ広大で、何時になったら帰還できるか見通しさえついていません、今も10万人を超える皆さんが仮設住宅居等で避難生活を送っています。除染の完了宣言が出た時、どれくらいの住民がもとの生活に復帰するかは誰にも予想できません。
また、東北3県の震災関連死者数の推移が公表されています。岩手県は200人から400人どまり、宮城県は600人から700人どまりですが、福島県は800人から1800人へとズバ抜けた数字になっています。問題は今も増え続けており、この数字は既に津波による直接死者、行方不明者数を超えようとしていることです。この点からもフクシマの災害は終わっていない、進行中とさえ言えます。
被災4年が経過して、除染土の中間貯蔵施設建設はよおやく動き出しました。しかし、最終処分地については、まだ何も決まっておらず、仮置き場には膨大な除染土が残されままというのが現状です。これに加えて、当初まったく想定していなかった汚染地下水の問題があります。爆発を起こした原子炉建屋の下に、毎日多量の地下水が流入し、高濃度放射能に汚染されています。これは海に放出できないため、地下水の流入を減少させる止水工事が検討されています。東京電力は凍土壁工法を採用し、今後この工事を本格化させるとしていますが、種々の理由から検討期間が長引き、4年経っても本格的な工事開始は大幅に遅れたままです。
現地では懸命の努力が続けられていますが、先ずは早期に汚染地下水問題を解決し、廃炉工事の速やかな進展とともに、福島県の第一次産業が汚染の風評被害から一日も早く解放されることを祈るものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5月8日
フクシマ復興応援ネットワーク
事務局 井上 仁 http://www.belhyud.com/00.htm
コメント