日 本 生 涯 現 役 推 進 協 議 会
  東  瀧    邦  次  様

  「 F M M  N 0 . 1 2 」 の ご 案 内
  先に「フクシマメールマガジン」を送信申し上げましたが、「FMM No.12」と「FMM No.10」を混同して添付するミスをしてしまいました。お詫び申し上げ、あらためて有機栽培技術を支援して戴いています薮田秀行さんからの投稿「FMM No.12」を再信させて戴きました。宜しくお願い申しあげます。         
フクシマ復興応援ネットワーク                                            
事務局 井上 仁
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F M M No.1 2 【Fukushima Mail Magazine】     
     フクシマを環境保全型ハウス有機農法で応援したい!
            フクシマ復興応援ネットワーク 2015.2.13発行                     
    
 故郷のフクシマはもともと農業県。「フクシマハウス有機農法」の提案は、フクシマが原発被曝災害の悲惨さから目をそらすことなく、将来を託す子どもたちのためにも、農薬や化学肥料を使わない健康で安全な農作物をつくる農業県として蘇ってほしいという思いが出発点になっています。
 当農法は、農水省が環境保全型農業と認定する「深層土壌加温(ラジアント)方式ハウス農法」と化学肥料や農薬を使わない「有機栽培技術」を一体化した農法です。福島県の関係者の皆さんにも相談した結果、先ずは民間ベースで実証栽培試験を実施することを急ぐこととし、現在、「深層土壌加温方式」についてはラジアント社の杉浦武雄さん、「有機栽培技術」については「ヤブ田フアーム」の薮田秀行さんの支援を戴き、実証栽培試験プロジェクトの立上げに取り組んでいます。
 今後、皆さんとの意見交換を通して、「フクシマ再生農業」の一環として、当農法の導入と展開に向け、確かな道筋をつくっていきます。先の「FMM No.11」では、薮田さんに「今なぜ、フクシマで有機農業なのか、どうめざすのか?」について、「自然の摂理から学ぶ人間の知恵:食と健康の真理」という視点から問題提起の口火切って戴きました。今後、実証栽培試験プロジェクトの立上げに向けて、皆様に「FMMシリーズ」を通して、次のような情報を提供していく予定です。

 有 機 栽 培 技 術 面 か ら
① 農業を自然界のマクロな歴史のスケールで考える!
② 1996年発表の「土の団粒構造モデル」!
③ 近代農業は硬盤層とのいたちごっこ!
硬盤層がなければ自然有機栽培もあり得る!
④ 深層土壌加温にはどういう意義があるのか!
⑤ 儲かる「フクシマハウス有機農法」の実践編。
有機農業をめざす背景にある問題意識面から
① 自然の摂理から学びたい「食と健康の真理」!
② 有機JAS認定とはどいうものか。
③ 有機野菜は本当においしくて価値があるのか。
  
 「FMM No.12」は、薮田秀行さんからの投稿「農業を自然界のマクロなスケールで考える!」「1996年発表の土の団粒構造モデル!」「近代農業は硬盤層よのイタチごっこ!」とさせて戴きました。皆様からのご忌憚のないご意見をお待ちしています。(事務局)     
    今 な ぜ、 ど の よ う に 有 機 農 業 を め ざ す の か ?
                    やぶ田フアーム 薮田秀行
       
【 そ の 1 】
 農 業 を 自 然 界 の マ ク ロ な 歴 史 の ス ケ ー ル で 考 え る !
  「農業とは?」を考える上で、私達と自然との関係、あるいは自然界のなりわい、いとなみとの共存関係について、その歴史を大きなスケールで描くととてもわかりやすいのではないだろうか。

 自 然 界 の ス ケ ー ル と 私 達
① 地球誕生は46億年前。
② 微生物の誕生は34億年前位か。
③ 5億年前に誕生した被子植物が微生物と共存を始める。
④ 人類の祖先が、チンパンジー・ボノボの祖先と別れたのは600万年前~700万年前くらい。
⑤ 約1万年前に大地を耕し、農耕が始まる。
⑥ 産業革命で近代史がはじまったのは約百年前。

 微 生 物 が 今 の 地 球 環 境 を 創 り だ し た !
 地球史にあって、微生物の起源がもっとも古い。微生物の起源は光合成細菌ではないかという説があります。直接顕微鏡で覗いたことはないのですが、イラストが描かれており、しっぽをドリルのように回転させて泳ぐ姿は力強くも愛らしいと表現されておりました。(現代農業2008年8月号 復刊742 東京:農文協出版)
 農業を考える場合、この辺りからイメージするとわかりやすいと思います。微生物は紫外線、放射能、硫黄、二酸化炭素、蛋白、この辺りを餌にしているらしいとのことです。専門的なことはわかりませんが、微生物が今の地球環境を創りだしたと言われています。

 自 然 の 営 み か ら 乖 離 し た 今 の 農 業
 私は人の体、健康、食、疾病などは、自然界の営みとかかわりの深い農業のあり方と関係していると思っています。今の農業では費用対効果を考えて、空気中から取り出された火薬の原料になるアンモニウムと硫酸塩を肥料として使うようになり、収穫量が増えて増益となりました。しかし、こうした農業ではミミズを始めとする多くの虫や微生物が土壌からいなくなってしまいます。現場にいるお百姓さんたちは、何かおかしいと感じています。しかし、消費者も含めて、つくられた常識で「大丈夫、安全」ということにしています。因果関係はよくわかりませんが 自然の営みから乖離した今の農業が健全であるとはとても言いがたいと思うのです。
 やはりここは、子どもたちのことを考えて、「自然界の営みに学ぶ」ということを基本とすることも良い方法だと思います。だからこそ、私は我が国が自然界のいとなみとの中で数千年間継続してきた有機栽培や自然栽培に目を向けたいと思うのです。 つづく 

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