【昨23日の総括記につづくNo.2】
◇ 意見交換<新年会ディベート>
司会者(鷹野義量理事)により会員各位が「今、取り組んでいる事々」について論じるかたちで進められた。
<樋口恵子共同代表>
〇 高 連 協 の 中 に 私 た ち の 声 を き ち ん と 
    政 策 決 定 の う え に 届 け る 仕 組 み の 構 築 を !
 昨年12月14日が総選挙であったわけですが、私たちは、高齢者が支配するとか、高齢者が中心になる社会ということでは全くありません。半世紀昔に比べれば、60代、70代、80代、90代、そして、今年9月時点ではもう5万8,820人もいる100代の人が現実に日本国民として、場合によっては所得税を払い、全ての人が消費税を払って、この国に生きていることです。だから、そういう高齢者のプレゼンスがもう一寸あっていいのではないでしょうか。
● 高 齢 者 が 社 会 を 支 配 し て い る 
              と い う の は 全 く の 嘘 !
  何かといえば、日本は長老政治だとか、高齢者が支配していると言われますけれど、実はこれは、ある面から見ると、全く嘘です。たとえば、一部上場企業の社長、副社長、国会議員の年齢は、時代を追うごとに年々若返っています。この間の総選挙で、75歳以上で当選している人は僅か6人です。当選者総数が475人の僅か1.3%です。ところが、全国民の中に占める75歳位以上の人口比率は、総務省統計局「人口推計(平成26年(2014年)7月確定値)」では12.5%に達しています。等身大の10分の1にすぎません。
● 求 め ら れ て い る 高 齢 者 の 政 策 面 へ の 意 思 反 映
  私は、政治の本当の中枢は、矢張り未来をたっぷり持った人たちが、幼い子どもたちや、これから生まれる人たちに、想像力を豊かに馳せつつ未来を設計する中心になるべきだと思っています。
しかし、75歳以上の人が全人口の12.5%も現に占めるようになったのは今が初めてのことで、その70代を豊かに生きるためには何があったらいいか、80代を生きるためには何があったらいいかを初めて見ている初代がきちんと見定め、提言していかなければならないと思っています。
  議会とか、代議制政治とかのあり方と言えば、私は専門家ではありませんが、いろいろな考え方がある。1票の格差というように人口比で考えるのも一つの重要な考え方ですけれど、皆様ご存じのとおり、米国は大きな州もあれば、小さな州もあるが、上院議員は1州2人、定員100名と定められている。ユナイテッド・ステイツという米国の成り立ちから考えれば、大きくても、小さくても代表は州一律2名という考え方もあリ得ると思います。
 ただ、いずれにしましても、日本国民の中に65歳以上、75歳以上、80歳以上といった人たちが総人口の1割、2割を占める社会において、その70代、80代の人、これらの世代の人がもう少し社会の方針決定に参画することが求められてよいのではないか。たとえば、スウェーデンの場合は、国会議員も大臣も若いことで知られていますが、その代わりに各市には高齢者評議会が設置されていて、高齢者関連の議論は全て報告され、高齢者団体の代表が意見を言ったり、注文をつけたりできることになっています。米国では各州議会の中には、その1年で決まった政策をその州議会の閉会時に、高齢者の代表が集まって、論議してまとまった意見を提出するとか、いろいろ高齢者が政治参加する機会があるようです。そして、米国の上院を見ますと、結構90代の議員がいたりして、日本ほど一斉に高齢者の姿が政策決定の場から消えていることはない。日本では、設置法による審議会では70歳定年が20年前に決められていて、かなり厳重に守られています。そうすると、日本の政策決定の場に、70代以上はほんとに少ない。国会議員は先程述べたとおりであります。そして、比例代表制の場合でも、かなりの制限がございます。
● 高 連 協 に よ る 日 本 版 ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン ズ ・ 
          ユ ナ イ テ ッ ド の 原 型 づ く り も
 私たちは、世代間の連帯という意味から言っても、もう少し私たちの声を政策決定の場に届ける仕組みをきちんと高連協の中で打ち出せないものだろうか。先程報告にあったジェネレーションズ・ユナイテッド会議ですけれど、日本でもジェネレーションズ・ユナイテッドということで、折角ハワイにいくのだから。これは、見方によっては半分できておりまして、ここにいらっしゃる堀田代表と私は高連協共同代表であると同時に、数年前からできている「にっぽん子育て応援団」という子育て支援の団体の共同代表でもあり、その共同代表は若手の勝間和代さんと安藤哲也さんとともに4名です。
 このように、高連協は揺り篭から墓場までを見据えて、且つ長年生きた高齢者の視点から発言し、凡ゆる世代の幸せを望むというかたちでジェネレーションズ・ユナイテッドの原型ができたらいいなと思っています。   つづく

コメント