「第6回就労のあり方検討会」傍聴報告②
2013年6月17日 お仕事「 第 6 回 生 涯 現 役 社 会 の 実 現 に 向 け た
就 労 の あ り 方 に 関 す る 検 討 会 」 傍 聴 報 告 ②
NPO法人 ライフ・ベンチャー・クラブ
理 事 冨 澤 穣
2. 高 齢 者 の 就 労 ・ 社 会 参 加 を め ぐ る
ニ ー ズ と マ ッ チ ン グ の 課 題
(1)地域社会のニーズ
今後、高齢者が急速に増加していくことが見込まれるため、就労や地域の活力維持のため元気な高齢者の活動が必須の課題となる。都市部では、居住地と職場が離れていることが多く、退職後に地域に足がかりがない人がかなり存在するから、こういった人たちの活躍の場を確保できるような支援が求められる。
高齢化の進展に伴い、一人暮らし高齢者たちなどができるだけ住み慣れた地域で暮らし続けるように医療・介護・生活支援が日常生活の場で求められる地域包括ケアシステムの構築が求められているが、支え手となるべき人材が不足していると指摘されている。
<「近年、無償ボランティアだけではなく、住民参加型住宅福祉サービスなどの有料ボランティア対応も増えており、支え手の確保が急務となっている」との記述もあって、民間で社会的課題を解決するプロジェクトが動き始めていることが感じられた。
介護支援のこの先は、次の項目で述べる「元気な高齢者が弱っている高齢者を介護する」ことで支えあう時代になると思われる。>
(2)地域社会のニーズと高齢者の就労・社会ニーズのマッチングの課題
地域社会の支え手確保が必要な分野は:「子育て、高齢者の生活支援・介護」、これは「退職した元気な高齢者が活躍できる分野」でもある。
高齢者は、こうした場で働くことを通じて元気で健康な生活を維持するとともに、地域の課題を解決し社会を下支えすることが期待される。
<・報告書の提言案では、元気な高齢者の就労・社会参加のマッチングの仕組みを整備が必要であると指摘している。シルバー人材センター、NPO、地域包括センター等様々な機関が存在するが、それぞれが行政などとの十分な連携がとれているケースが少ない現状に鑑み、各機関の連携強化と情報を共有する プラットフォームが重要であるとして、有効なマッチングに向けた課題としてコーディネーターとして多様な経験を持った有能な人材を活用する必要性を指摘している。
・企業への就労に関しては、大方の企業が製造部門を海外シフトしてグローバルでのシェアーを維持している状況であり、就労の場としては狭き門だ思われる。>
(3)企業における高齢者の活用の課題
今後も企業における高齢者活用をさらに促すためには、高齢者戦力化に苦労する企業向けに、個別の人事管理手法の情報を提供することが必要である。
高齢者ニーズへの対応としては、これまで1つの仕事、1人の仕事とされていた業務を切り分け、ちょっとした仕事、スポット的な仕事を見付けることも労働時間について多様なニーズを要する高齢者就業機会の確保につながる。企業においても、周辺の業務を切り出し、高齢高齢者に任せることで、現役世代の社員がより生産性の高い業務を行うようにできるのではないかと考えられる。
高度な知識や技能を持つ人材のマッチングは:業務の専門性、生産性は高いものの定常的な業務でないことなどの理由から労働需要が顕在化していない分野、また契約書作成・管理・訴訟対応など企業の法律業務上の問題に対応する法務や人事・労務管理など、人員の不足から専属職員を設けることが難しい分野には潜在的ニーズがある。ここに高齢者の活用の余地があると考えられる。
<企業では製品のライフサイクルが短期化して、再配置、転籍、希望退職などがあり、「定年までは…」と会社に依存できない時代に突入しています。「私の人生、変わってしまった」ということがいつ起こるかわからない。これが21世紀のパラダイムだ、と思って備えることが大切だと思います。>
3. 今 後 の 生 涯 現 役 社 会 に お け る
就 労 ・ 社 会 参 加 の あ り 方 に つ い て の 提 言
高年齢者雇用安定法の改正により、就業希望者は全員65歳までの雇用確保措置が強化さたところであるが、高齢者の就労ニーズは多様であることなどから、高齢者の就労の場を企業の雇用にのみ求めることは限界に近づいている。今後は、企業における活躍の場とともに、新たな高齢者の活用と活躍の場を考えていく必要がある。
高齢者の活用と活躍の場を拡大するため、以下の様な方策が考えられる。
①高齢者の就労・社会参加に向けた退職前の職業観、生活観の見直し
②地域社会の支え手、「企業人」から「地域人」への円滑な移行
③地域中小企業において、大企業などで得た専門的な知識や技術、経験を活かす
④65歳を超えてもさらに企業で働き続ける高齢者の活用のあり方
検討会の検討内容は上記①~④の提言にまとめ、文言修正のうえ今月中をめどに印刷配布される旨座長よりご挨拶があり閉会。
<・2時間の予定の会が1時間あまりで閉会となった。会場に居た傍聴者は、「傍聴者は発言できない」と言われていたので誰も発言しなかったが、意見を聞いて欲しかった人も大勢いたと思います。グローバル・産業界の変化のスピードと日本の政・官のスピードの違いがもどかしい!
・日本人は勤勉で、70歳を過ぎても働きたい人が70%も…世界一高い就業意欲。この数字を見で救われたような感じになった。しかし、超高齢社会になり年金支給が始まると、年金基金が不足しそうなことが判明したり、経済を支える若者が少ないことが解ってきた不思議な国ニッポン。長寿を寿ぐということを先送りして若者を支えたいと叫ぶいじらしい白髪の熟年者(元後期高齢者)であることを恥じ入る次第です。> 以 上
就 労 の あ り 方 に 関 す る 検 討 会 」 傍 聴 報 告 ②
NPO法人 ライフ・ベンチャー・クラブ
理 事 冨 澤 穣
2. 高 齢 者 の 就 労 ・ 社 会 参 加 を め ぐ る
ニ ー ズ と マ ッ チ ン グ の 課 題
(1)地域社会のニーズ
今後、高齢者が急速に増加していくことが見込まれるため、就労や地域の活力維持のため元気な高齢者の活動が必須の課題となる。都市部では、居住地と職場が離れていることが多く、退職後に地域に足がかりがない人がかなり存在するから、こういった人たちの活躍の場を確保できるような支援が求められる。
高齢化の進展に伴い、一人暮らし高齢者たちなどができるだけ住み慣れた地域で暮らし続けるように医療・介護・生活支援が日常生活の場で求められる地域包括ケアシステムの構築が求められているが、支え手となるべき人材が不足していると指摘されている。
<「近年、無償ボランティアだけではなく、住民参加型住宅福祉サービスなどの有料ボランティア対応も増えており、支え手の確保が急務となっている」との記述もあって、民間で社会的課題を解決するプロジェクトが動き始めていることが感じられた。
介護支援のこの先は、次の項目で述べる「元気な高齢者が弱っている高齢者を介護する」ことで支えあう時代になると思われる。>
(2)地域社会のニーズと高齢者の就労・社会ニーズのマッチングの課題
地域社会の支え手確保が必要な分野は:「子育て、高齢者の生活支援・介護」、これは「退職した元気な高齢者が活躍できる分野」でもある。
高齢者は、こうした場で働くことを通じて元気で健康な生活を維持するとともに、地域の課題を解決し社会を下支えすることが期待される。
<・報告書の提言案では、元気な高齢者の就労・社会参加のマッチングの仕組みを整備が必要であると指摘している。シルバー人材センター、NPO、地域包括センター等様々な機関が存在するが、それぞれが行政などとの十分な連携がとれているケースが少ない現状に鑑み、各機関の連携強化と情報を共有する プラットフォームが重要であるとして、有効なマッチングに向けた課題としてコーディネーターとして多様な経験を持った有能な人材を活用する必要性を指摘している。
・企業への就労に関しては、大方の企業が製造部門を海外シフトしてグローバルでのシェアーを維持している状況であり、就労の場としては狭き門だ思われる。>
(3)企業における高齢者の活用の課題
今後も企業における高齢者活用をさらに促すためには、高齢者戦力化に苦労する企業向けに、個別の人事管理手法の情報を提供することが必要である。
高齢者ニーズへの対応としては、これまで1つの仕事、1人の仕事とされていた業務を切り分け、ちょっとした仕事、スポット的な仕事を見付けることも労働時間について多様なニーズを要する高齢者就業機会の確保につながる。企業においても、周辺の業務を切り出し、高齢高齢者に任せることで、現役世代の社員がより生産性の高い業務を行うようにできるのではないかと考えられる。
高度な知識や技能を持つ人材のマッチングは:業務の専門性、生産性は高いものの定常的な業務でないことなどの理由から労働需要が顕在化していない分野、また契約書作成・管理・訴訟対応など企業の法律業務上の問題に対応する法務や人事・労務管理など、人員の不足から専属職員を設けることが難しい分野には潜在的ニーズがある。ここに高齢者の活用の余地があると考えられる。
<企業では製品のライフサイクルが短期化して、再配置、転籍、希望退職などがあり、「定年までは…」と会社に依存できない時代に突入しています。「私の人生、変わってしまった」ということがいつ起こるかわからない。これが21世紀のパラダイムだ、と思って備えることが大切だと思います。>
3. 今 後 の 生 涯 現 役 社 会 に お け る
就 労 ・ 社 会 参 加 の あ り 方 に つ い て の 提 言
高年齢者雇用安定法の改正により、就業希望者は全員65歳までの雇用確保措置が強化さたところであるが、高齢者の就労ニーズは多様であることなどから、高齢者の就労の場を企業の雇用にのみ求めることは限界に近づいている。今後は、企業における活躍の場とともに、新たな高齢者の活用と活躍の場を考えていく必要がある。
高齢者の活用と活躍の場を拡大するため、以下の様な方策が考えられる。
①高齢者の就労・社会参加に向けた退職前の職業観、生活観の見直し
②地域社会の支え手、「企業人」から「地域人」への円滑な移行
③地域中小企業において、大企業などで得た専門的な知識や技術、経験を活かす
④65歳を超えてもさらに企業で働き続ける高齢者の活用のあり方
検討会の検討内容は上記①~④の提言にまとめ、文言修正のうえ今月中をめどに印刷配布される旨座長よりご挨拶があり閉会。
<・2時間の予定の会が1時間あまりで閉会となった。会場に居た傍聴者は、「傍聴者は発言できない」と言われていたので誰も発言しなかったが、意見を聞いて欲しかった人も大勢いたと思います。グローバル・産業界の変化のスピードと日本の政・官のスピードの違いがもどかしい!
・日本人は勤勉で、70歳を過ぎても働きたい人が70%も…世界一高い就業意欲。この数字を見で救われたような感じになった。しかし、超高齢社会になり年金支給が始まると、年金基金が不足しそうなことが判明したり、経済を支える若者が少ないことが解ってきた不思議な国ニッポン。長寿を寿ぐということを先送りして若者を支えたいと叫ぶいじらしい白髪の熟年者(元後期高齢者)であることを恥じ入る次第です。> 以 上
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