当ブログ本年の4月3日・4日に日経新聞Web版Life「くらし/働き方・人間関係」の【9 3 歳カリスマ美容員・生涯現役の秘訣】をご紹介しました。
  今回は産経ニュースの【変わる働き方/生涯現役時代】から、81歳の美容営業所長、65歳の食材宅配起業例を引き合いに、総務省調査資料でのシニア就業データーをご紹介しています。
  ただ残念なことは、この生涯現役時代の記事取材には「生涯現役社会づくり」の民・官独創的な国民運動への啓発構想などは発想されていないようです。
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【 変 わ る 働 き 方  生 涯 現 役 時 代 】 シ ニ ア 編 

 ■ 8 1 歳 の 営 業 所 長  定 年 は 「 自 分 で 」

 冒険家、三浦雄一郎さんが80歳の世界最高齢でエベレストに登頂し、高齢者の身体能力の高さを世界に見せつけた。「三浦さん同様」とまではいかなくても自営業の場合、80代の現役は珍しくない。

 ◆ 営 業 歴 は 半 世 紀

 化粧品メーカー「ポーラ」の営業の主力は個人事業主の営業職、ポーラレディだ。全国14万5千人のうち「美婆(ビバ)」と呼ばれる90代以上は約500人。80代は若手の「プレ美婆」で第一線の働き手だ。

 プレ美婆の一人、埼玉県上尾市の柳沢ちま子さん(81)は営業歴52年。現在も9人を統括する営業所長として、営業車のハンドルを握り、高齢者施設に入所した顧客を訪ねる。数十年来の顧客は家族同然の付き合いだ。

 「子供の手が離れた40~50代が一番の働き盛り。『私が死ぬまで絶対ポーラを辞めないでね』というお客さんがいるし、元気な限り続けたい」

 家族や友人も応援する。次女の三千代さん(56)は「仕事をしている母は、はつらつとしている。家にいると絶対老け込むから」。友人の大橋綾子さん(90)は「仕事を頑張り、子供たちにも評価され、私も本当に尊敬する」。

 ◆ 二 人 一 役 で 起 業

 定年をはねのける人もいる。東京都世田谷区の清水次朗さん(65)は7月、食材の宅配業「まいど屋」を開業予定だ。コンセプトは「1人暮らしのお年寄りの手助け」。今後、都心で増える80代、90代に合った食材の宅配をしつつ、電球の交換や日用品の手配なども請け負う「便利屋」を目指す。

 「飛び込みで営業できる家は少ないから、紹介や口コミ中心。築地の魚やおいしい食材なども届けたい」

 清水さんは60歳まで都内の食品会社に勤め、製造や販売など幅広く経験。63歳まで契約社員として再雇用され、退職を促された。しかし、自宅にいると、届くのは年金や健康診断の通知ばかり。「このまま年寄り扱いされたらたまらない」と一念発起し、東京・銀座にあるシニア向け起業支援サービス「銀座セカンドライフ」の会員になった。

 通常の起業と異なるのは「1人で抱えこまないこと」。病気や事故など万一のことを考え、後継者と見込む年下の友人に事業の継続を依頼。後継予定者と二人一役で事業の継続と信頼性を担保する。

                  
◇ ■ 8 0 代 前 半 、 1 0 人 に 1 人 が 現 役

 平成19年就業構造基本調査(総務省)によると、80代前半(80~84歳)の有業者は9.7%。男性だけに限ると15.7%で、6人に1人が現役だ。65歳の平均余命は、男性18.69年、女性23.66年で、0歳児の平均寿命より、男性で4.25歳、女性で2.76歳長くなる。

 高齢者の就業に詳しいキャリアコンサルタントの菊地克幸さん(64)は「人生は80、90代まで続く。高齢者の最大の武器は人柄。経験の全てがキャリアになるので、人生二毛作、三毛作だと思って、働き方を考えるといい」とアドバイスする。

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