私たち日本生涯現役推進協議会の会員で、NPO ライフ・ベンチャー・クラブの水上 久忠理事からご提案いただいたハルナビバレッジ株式会社をご紹介するJ-Net21サイトを通して、以下にその概要をご紹介しているので、ぜひ同社のユニークな創業・独特の経営戦略をとくと、承ってみたいと存じます。
  「生涯現役プロデューサー」諸兄姉からのご意見・ご提案などをご遠慮なくお聞かせください。
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【 J - N e t 2 1 】 中小企業ビジネス支援サイト
   関係先URL = http://j-net21.smrj.go.jp/well/genki/2011/12/post_551.html
      成 熟 産 業 に 最 後 発 で 参 入 、
              時 代 の 流 れ 読 み 飛 躍
         [ ハ  ル  ナ  ビ  バ  レ  ッ  ジ ]
  ハルナビバレッジはペットボトルを主体とする飲料製造業。飲料メーカーによるナショナルブランド(NB)製品や大手流通業などが展開するプライベートブランド(PB)製品の受託生産を手がける。群馬県内に複数の飲料製造工場を構えているほか、全国に協力会社のネットワークを構築している。

  成 熟 産 業 の 最 後 発 組

  同社は1996年の創業だが、わずか15年後の2011年3月期に連結売上高164億円を記録した。
  現会長の青木清志氏が商社を定年退職後に創業した。飲料製造業は巨額の初期投資が必要な設備産業であるうえ、既に成熟産業ともいわれた。このような理由から、創業に賛同する人は少なかったという。
  しかし、青木会長は当時、ごみ散乱の懸念から業界で自主規制し、ほとんど流通していなかった500ミリリットルサイズのペットボトル飲料に目を付けた。リサイクル技術の確立などで同年に自主規制が廃止され、これに特化する戦略は的中、大手企業数社から受注を決めた。それを実質的な担保にして銀行から融資を受けることに成功し、群馬県高崎市内に製造工場を建てた。
  間もなくして500ミリリットルボトルが流通の主流となり、この流れに乗った同社は創業から5年間で3工場の建設に73億円を投じ、年商は100億円を突破した。07年には飲料メーカーだった旧オーパイの事業を取得し、群馬県みなかみ町に子会社タニガワビバレッジ(現ハルナビバレッジファクトリータニガワ工場)を設立した。
  現社長の青木麻生氏は09年に後を継いだ。新社長は就任後、顧客企業との共同開発に力を注ぐ。同社の成長の支えてきたPB飲料市場が成熟化し、「低価格帯から高級帯までPBも多様化している」(社長)ことが背景にあった。そこで同社は研究開発やマーケティング機能を高め、顧客に新商品の提案する営業姿勢を鮮明にした。いわゆる“下請け”から“提案型企業”への飛躍を目指した。09年春の時点では製造受託件数全体に対して共同開発製品は約30%だったのが、その2年後に45%に達している。
  また09年にはタニガワ工場で耐熱ペットボトル容器の成形ラインを導入した。容器製造から飲料の充てんまで一貫したラインが完成し、製造原価を大きく低減することに成功した。
  協力会社のネットワークを拡大させたのもこのころだ。同時に茶葉や酸化防止剤のビタミンCなどを自社調達する取り組みも拡大。これらの体制が整ったことで、顧客企業が全国販売する飲料をハルナビバレッジが一括受注できるようになり、成熟した市場の中で受注を拡大していった。

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 11年4月から新たな組織体制が始動した。本部や部などの制度を廃止し、ユニットやセクション制に移行。数多く存在した役職を減らし、「フラットで責任が明確な組織を目指す」(青木社長)ことが背景にある。象徴的なのは、「部長」などの役職で呼ぶ合うことを廃止し、「さん」付けで呼び合うことにしたことだ。
  給与体系では資格取得に対する手当を厚くしたほか、家族手当やリフレッシュ手当、健康増進の支援などの非金銭的報酬を追加した。非金銭的報酬の強化には、“ベンチャー企業”として創業から急成長を遂げてきた同社が、今後は安定した成長という新たなステージに移行しつつあることを映し出している。
  ハルナビバレッジは創業20周年を迎える16年の株式公開を検討している。創業から07年度まで「投資と成長」をスローガンに累計で150億円近い投資を実施してきた。これまでの先行投資に伴う累積損失はすでに解消しているが、青木社長は上場を予定する時期までに、「利益を伴う成長、またリーンな(無駄のない)体質」に向けてまい進する考えだ。

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