日  本  生  涯  現  役  推  進  協  議  会
          ヘ  ッ  ド  ラ  イ  ン   ニ  ュ  ー  ス
 事 務 局 連 絡 第 103 号            2 0 1 2 年 8 月 3 1 日  発 行

 『  年  を  と  っ  て  も  生  涯  現  役 !!  で 短 気 に な ら な い 人 生  』

  去る8月18日(土)付朝日新聞「between 読者とつくる」欄 “年をとると短気になると思う?” という以下の記事を読みました。「生涯現役」の人生哲学が、短気とどう関わるかを皆様とご一緒に考えてみたいと存じます。

  「年をとれば丸くなる」と申します。でも、実際にはどうでしょう?わが身を振り返れば、年をとると共に気が短くなっているような・・・という訳で実施した今回の質問、皆さんのご意見は「丸くなる」派が6割でしたが、自由回答には様々な「腹が立つ」ことが渦巻き、「短気な時代」も浮かび上がってきました。・・・といわれる。
  「 短  気  な  時  代 」  を  象  徴
  「義父母は待ち合わせ時間の10分前には『遅い、遅い』と騒ぎ始めます。以前は5分前、もっと前は時刻ちょうど・・・・。だんだん早くなっています」(長崎県、54歳女性)。親の年代が短気になったと感じている人が目立ったほか、「もともと短気な夫は、年々沸点が低くなり周囲はうんざり。お陰で自分は大抵のことでは怒らなくなった」(神奈川県、46歳女性)など、40代以降、短気になった夫に困惑する妻の報告も多数。近年、公共の場で怒鳴る中高年男性を見ることが増えた、という人も世代を超えて多く、「見苦しい」「あんな年寄りになりたくない」といった声が圧倒的だった。
  そんな男性にとって大きな転機は定年退職。だが、その影響は「40代の頃、年をとって丸くなったといわれたが、定年後、自分の意見が軽く扱われているような気がして、再びキレやすくなった」(愛知県、62歳男性)という声もあれば、「退職後は自分でも驚くほど我慢できるようになった。短気は疲れます」(千葉県、65歳男性)など、人それぞれのよう。短気になる原因は、年齢より「自分の中にある劣等感などが刺激されるからでは?」という神奈川県の53歳男性は、「自分自身を深く掘り下げ、劣等感や不満を自覚することで他人を許せるようになる。病気を経験してこの大切さに気づいた」と記す。
  「あきらめが先にくる。怒ったところで嫌な思いをするのは私だもの」(埼玉県、63歳女性)といった「達観」の境地や、逆に年をとった故に「自分に正直に、嫌なものは嫌とはっきりした方がよいと思うようになった」という声も。自由回答には「企業への問合せ電話の多くが、音声ガイダンスになっているのが腹が立つ。相手が人間なら一言で済むのに」(滋賀県、59歳女性)といった些細なことから、原発再稼働や政治への怒りまで、実に多種多様なイライラが並び、驚かされた。これも先行き不透明で余裕を失った「短気な時代」を象徴しているのだろうか。
  「年をとると自分の体験を絶対視し頑固になるが、気短に腹を立てるバカバカしさもわかる。自分も若い時は短気で、損をしたと悔いています。ただ、怒りを忘れてはいけません。怒りは短気とちがいます。間違ったことに怒りを覚えなくなったら、人間失格です」(栃木県、81歳男性)こんな人生の先輩の言葉が心に残った。(山内 浩司)
                                 
   5  0  か  ら  第  2  の  思  春  期
  同志社女子大の日下菜穂子准教授(高齢者心理学)によれば、一般的に老年期になれば情緒的には安定する傾向にあるという。しかし、老いに向かう50~60代は「身体的、社会的にも大きな変化を迎える第2の思春期といえる時期。身体のバランスが崩れ、イライラが増すといったことは起こりえます」。平均余命が伸びた結果、円熟するにはまだ若い層も増えている。
  一方、加齢とともに、感情をコントロールする脳機能は衰えていくが、環境や心理的な要因も大きな影響を与えるという。
  穏やかな老後を迎えるコツは、「まず体を動かし、脳の血流をよくすること。そして、“したいことを、やりたいようにやる”こと」だそうだ。
  誰にも気兼ねせず、自分のやりたいことを見極め、他人や道具の助けをうまく借りながら柔軟に取り組む。時には「できない自分を笑ってみる」ような余裕やポジティブさが、幸福な老いにつながるという。

  以上の「年をとると短気になると思う?」取材記事に欠けているものを敢て挙げると、やはり「生涯現役」の発想です。短気にならない人生の目標・生きがいがあれば、短気にならない人生の幸せがある故です。  以 上

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