医療法人 顕正会(けんせいかい)蓮田病院では「健康セミナー:生涯現役をめざしてシリーズ版を「健康は万人の願いです。本セミナーでは、多種の健康、医療情報を読者に提供しております。」という趣旨で理事長・院長・副院長をはじめとして各科医長輪番によるサイト上での情報掲載をしています。
  今回その201回担当田中 憲一歯科口腔外科医長の下記掲載がありましたので、ご参考までにご紹介します。
【掲載URL】= http://www.hasuda-hp.or.jp/kenkousemina201.htm
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
歯科口腔外科医長  田中 憲一

平成9年 昭和大学歯学部卒。
平成9年 昭和大学歯学部第一口腔外科入局.。      
平成13年より蓮田病院歯科口腔外科勤務。

抜 歯 後 、欠 損 部 位 を そ の ま ま に し て い ま せ ん か ?

  以前に抜歯した部位をそのまま放置しているため最近になって咬み合わせや歯並びが悪くなったと感じている方もいると思います。
 
  長時間、抜歯したままにしておくと隣の歯が少しずつ倒れて歯が斜めになり、特に歯周病の方は歯と歯の間が離れ、すき間が大きく見た目も咬み合わせも悪くなります。
 
  また歯が無くなると、咬合していた反対側の歯がのびて欠損部位の歯ぐきに当たり、咬合のたびに自分の歯で歯ぐきを咬んでしまいます。潰瘍を形成し細菌感染のため腫れて痛く食事が困難になることがあります。
 
  このように咬合平面が乱れ、左右どちらかに片寄った咬合が続くと顎関節痛やアゴを動かす筋肉にいわゆる筋肉痛が出現することもあります。
 
  乱れた咬合平面を治療するには、歯を削ったり神経を除去してから冠を被せたり、場合によっては抜歯や矯正などの全顎的な治療も必要となります。つまり抜歯後すぐに治療しておけばする必要の無かった処置までが必要となってしまいます。
 
  欠損部の咬み合わせを再構築する方法としては、取り外し式の義歯、固定式のブリッジが一般的ですが、現在はインプラントによる治療が多く選択されるようになりました。インプラントにより天然歯に近い咬合機能や審美性の回復をはかることもでき、安全に、長期間使用できる治療として確立しています。担当医とよく相談して、自分の口腔内の現状に合った治療方法を選択する必要があります。
 
  放置して大がかりな治療になる前に、欠損部位の治療をすれば、短期間の治療で済み、QOLや医療経済の面からも良好と思われます。

コメント