「あなたと日本を元気に!!」させる教育を考えさせ、「生涯現役」に役立つ資料として明日満100歳を迎えられる橋本 武先生の下記著書をご紹介します。
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〈 銀 の 匙 〉の 国 語 授 業 (岩波ジュニア新書) [新書]

内容紹介:神戸の灘校で中学3年間をかけて『銀の匙』1冊を読みこむという授業を続けてきた
橋本 武先生の実践的授業。「国語はすべての教科の基本であり、学ぶ力の背骨」という伝説の教師が国語の学び方を伝えます。「早急に答えを求めてはいけない、すぐに役立つものはすぐに役立たなくなります」など「学び」の原点に気づかされる1冊。

著者(橋本 武)略歴:灘中・高を、まだ無名だった時代から、必死に国語と生徒に向き合ってきた、とても偉大な先生の自伝兼授業紹介本&エッセイです。
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(Amazon カスタマーレビュー)
  今、教育界では、生徒の授業や勉学に対する受け身な姿勢が問題とされ、自ら考える力の重要性が叫ばれて久しいですが、実際は、生徒は曖昧で形のない焦りを抱えて周囲との足並みを揃え、大学受験という形式的な目標のため、「やれ」と言われて「やらされる」そんな感覚で勉強を楽しめない生徒が多いのではと感じています。

  私立学校における教員裁量の自由度を最大限に生かして、教科書を中勘助の『銀の匙』とし、コピー機やパソコンが発達していなかった時代に、気の遠くなるような時間をかけて読解プリントを作成した橋本先生。そのプリントの現物が本の中に掲載されていますが、たのしいマンガが挿入してあったり、古典では実際の原典の書を工夫して書き写していたり、手書きで細かく説明がしてあったり、全く手を抜かない熱意が感じられ、本当にすばらしいものでした。

  もし私が生徒なら、先生の豊富な知識に支えられた横道にそれるお話も、楽しく内容もりだくさんのプリントで配られる課題も、作中の語句を実際に体験してみる試みも、決して受け身ではなく、「遊ぶ」感覚で、知らず知らず主体的に「学ぶ」ということができるな、そう感じました。

  橋本先生に教えられた生徒さんたちはとっても幸せだと思います。

  東大合格者ナンバー1という輝かしい実績だけが、独り歩きをしがちですが、橋本先生は、大学受験は手段であって、決して目的ではない、最終ゴールではないとされていて、本当にその通りだと思います。

  厳しい閉塞感に覆われている日本を、これから底支えしていく若者たちは宝物です。彼らに、いろんな可能性を試してみてほしい。そのために教育があり、ある程度の規律も必要。これからの教育への多分な示唆を、橋本先生は与えてくれていると思います。

  学校教育に関わる人でなくとも、子どもがいる人や、進学校に通いながら目標が見つけられない学生にも、そして橋本先生が書かれているように、ご高齢の方にも、幅広く読まれてほしい名著です。

  文章がとても美しく、軽妙で、先生のあたたかなお人柄を表しているようで、読めたことを感謝したくなる本でした。

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