昨年10月21日に開催閣議決定された「国家戦略会議」(議長・野田佳彦首相)は、税財政の骨格や経済運営の基本方針等の国家の内外にわたる重要な政策を統括する司令塔 並びに政策推進の原動力として、総理のリーダーシップの下、産官学の英知を結集し、重要基本方針の取りまとめ等を行うとともに、国の未来への新たな展望を提示するため、新時代の中長期的な国家ビジョンの構想を行うために設置された。
  その報告書記事をロイター通信から下記に転載ご紹介したい。
ご参考URL = http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE86506320120706
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

  【 東京 6日 ロイター 】 国家戦略会議のフロンティア分科会は6日、「あらゆる力を発露し、創造的結合で新たな価値を生み出す『共創の国』づくり」と題する報告書をまとめ、野田佳彦首相に提出した。

  報告書は、分科会の下に設けた「叡智」、「繁栄」、「幸福」、「平和」の4つのフロンティア部会での議論を元に作成した。2050年の日本のあるべき姿を「共創の国」として描き、社会の多様な主体が潜在力を最大限に引き出し、創造的結合によって新たな価値を創出する国の姿をイメージした。

  こうした国づくりのためには、社会基盤として「交流」、「混合」、「変容」といった力を定着させること、1人当たりの国内総生産(GDP)を継続的に成長させること、「尊厳ある生」を保障すること、互恵的・協調的な経済発展の追求や人間の安全保障推進など能動的な平和主義をとること──などが必要だと指摘。「環太平洋連携協定(TPP)への参加を通じた貿易や投資の自由化・円滑化」(繁栄のフロンティア)に加え、「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直しなどを通じて安全保障協力手段の拡充を図るべき」(平和のフロンティア)などと提言している。

  また、2025年までに重点的に進める政策の方向性として、知識と情報を社会や市場につなぐ仕組みの強化や人を財(たから)とする「人財戦略」の国家戦略への位置づけ、規制改革を通じた成長、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化などが重要だと指摘した。

  さらに分科会では、こうした施策の実効性を高めるためには国民の意識改革と政治の強い
リーダーシップが不可欠だと呼びかけた。

  報告書は国家戦略会議に報告され、国家戦略会議がまとめる日本再生戦略の議論の材料となる。野田首相はこの日の会合で「日本再生戦略の中に存分に反映させたい。この報告書が、社会全体において、国づくりに向けた議論の喚起につながることを期待する」と語った。

コメント