生涯現役から「幸福度」のあり方はどうか①
2011年12月26日 お仕事 経済的指数よりも、国民の幸福度を重視するブータンの国王夫妻来日で、一躍注目されたのが国民の『幸福度』に対する考え方である。経済大国のバブル崩壊から失われた国力の長期低迷により、国民の幸福度に関する観点にも様々な影響を及ぼしている。今朝の日本経済新聞には、その「幸福度」を都道府県自治体が競って、住民自治の基礎にしていく可能性があると特集記事で掲載している。
先月、国民幸福度(GNH)世界一といわれるブータン国王夫妻の都内歓迎式典に招かれた西川一誠福井県知事は、「福井県は都道府県の幸福度で日本一です」と胸を張ったという。それは法政大学が40の指数で算出した幸福度ランキング・トップだったからである。以前に政府が暮らし易さランキング「新国民生活指標」公表で,下位の埼玉県などから反発を受け中断した経緯もあり、指数次第で順位が変わるランキング公表には、当然異論は百出する。
問題は、住民自治の基礎指数に何を選ぶかであって、「幸福度」ブームに各首長がどう眼に見える実績を作っていけるかにある。公共予算削減でのハコモノ施設は造れず、円高の海外進出で企業誘致もままならない時代である。財政難時代に住民の納得を得る『幸福度』の共通理解は、地域に合致する優先順位の選定過程に合理的な住民参加が必要となる。地域住民の参加意識が高まる民力度や住民自治力の評価指数を尊重して、「次世代にツケをまわさない幸福度」を判断基準にすべきだろう。
早速来春の知事選に向けて、幸福を感じる要因に「夢を持っている」「誇りがある」「経済的な安定」「将来に不安がない」など5段階数値化による総量幸福度を算出する仕組みに、人口増加地域や山間部、沿岸部など各地域住民の集会を活用する県もある。2005年から幸福度研究を先駆ける東京都荒川区では、「健康」「子育て」など6分野想定で住民対話で指数測定を行うが、「幸せは人それぞれで、試行錯誤の結果やっと区民幸福感の方向性が見えてきた」という。
また、総合指数化まで踏み込まず、個別分野の幸福度を測ろうとする自治体や、現在満足度を示す幸福度の一歩先の将来希望を測る「ふるさと希望指数」を11県が今年度内にまとめる話。「幸福度は判りにくい」から「笑い指数」を「幸福ウオッチャー調査員」が自らの笑い頻度増減を数値化する直感測定するなど、幸福度の政策立案研究も英仏などで始められているという。
「日本人は物質的な豊かさに比べて幸福感が低い。自治体が住民の触れ合いなどの満足度を政策目標にするのは意味がある」と、豊かさ論に詳しい神野直彦東大名誉教授の評価も新聞では紹介しているが、裏を返せば物質主義偏重から精神主義見直しへの時流変遷も覗える。しかし、数値化偏重の戦後教育世代にも納得できる幸福度には、何よりも社会不安を醸し出す「個人の生活安心と社会への信頼度」向上が国家施策には絶対に必要だ。そのためにも私たちの提言する「生涯現役社会づくり」推進目標が益々重要となる。 (以下 つづく)
先月、国民幸福度(GNH)世界一といわれるブータン国王夫妻の都内歓迎式典に招かれた西川一誠福井県知事は、「福井県は都道府県の幸福度で日本一です」と胸を張ったという。それは法政大学が40の指数で算出した幸福度ランキング・トップだったからである。以前に政府が暮らし易さランキング「新国民生活指標」公表で,下位の埼玉県などから反発を受け中断した経緯もあり、指数次第で順位が変わるランキング公表には、当然異論は百出する。
問題は、住民自治の基礎指数に何を選ぶかであって、「幸福度」ブームに各首長がどう眼に見える実績を作っていけるかにある。公共予算削減でのハコモノ施設は造れず、円高の海外進出で企業誘致もままならない時代である。財政難時代に住民の納得を得る『幸福度』の共通理解は、地域に合致する優先順位の選定過程に合理的な住民参加が必要となる。地域住民の参加意識が高まる民力度や住民自治力の評価指数を尊重して、「次世代にツケをまわさない幸福度」を判断基準にすべきだろう。
早速来春の知事選に向けて、幸福を感じる要因に「夢を持っている」「誇りがある」「経済的な安定」「将来に不安がない」など5段階数値化による総量幸福度を算出する仕組みに、人口増加地域や山間部、沿岸部など各地域住民の集会を活用する県もある。2005年から幸福度研究を先駆ける東京都荒川区では、「健康」「子育て」など6分野想定で住民対話で指数測定を行うが、「幸せは人それぞれで、試行錯誤の結果やっと区民幸福感の方向性が見えてきた」という。
また、総合指数化まで踏み込まず、個別分野の幸福度を測ろうとする自治体や、現在満足度を示す幸福度の一歩先の将来希望を測る「ふるさと希望指数」を11県が今年度内にまとめる話。「幸福度は判りにくい」から「笑い指数」を「幸福ウオッチャー調査員」が自らの笑い頻度増減を数値化する直感測定するなど、幸福度の政策立案研究も英仏などで始められているという。
「日本人は物質的な豊かさに比べて幸福感が低い。自治体が住民の触れ合いなどの満足度を政策目標にするのは意味がある」と、豊かさ論に詳しい神野直彦東大名誉教授の評価も新聞では紹介しているが、裏を返せば物質主義偏重から精神主義見直しへの時流変遷も覗える。しかし、数値化偏重の戦後教育世代にも納得できる幸福度には、何よりも社会不安を醸し出す「個人の生活安心と社会への信頼度」向上が国家施策には絶対に必要だ。そのためにも私たちの提言する「生涯現役社会づくり」推進目標が益々重要となる。 (以下 つづく)
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