1985年10月以来、310回の月例開催を永続する『生涯現役塾』では、「生涯現役」をテーマに、参加者全員主役の考え方で【自分にとって生涯現役とは何か】を相互研鑽しています。その論議の中で再三再四話題に出る内容のポイントを原田 稔氏のブログ(働き方未来形-汝 ワークスタイルを変革せよ
•対象読者:働き方について考えるすべての人々、すべての働き人
•読む価値:「働く」とは何かを考えるヒントが満載。働き方については国内唯一の専門ブログ。)で拝読しました。以下ご紹介掲載させていただきます。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------

生 涯 現 役 時 代 と 働 き 方

【生涯現役時代の到来を予想する3つの理由】


①食べていけない-生涯働く必要性

 第一の理由は、「身体が動く限り、働いていかなければ食べていけないから」という現実的な側面です。

 年金の支給年齢の議論が巷をにぎわせています。68歳や70歳という数が出てくるなど、日本の財政状況やいびつな人口の年齢構成を考えると、この年齢議論の次は支給額の減額になることは間違いないでしょう。今後、年金はゼロに限りなく近づき、私たちは、高齢になっても収入源を確保する必要が出てくるのです。

 昨今注目されているリスクは「自分が予想よりも長く生きてしまうこと」です。保険会社も長生きリスクに注目した商品を発売しているように、長生きを養う「収入源」が必要なのです。


②雇用ルールの変更-定年延長の次は?

 第2の理由として、仕事のルール、つまり雇用契約が変化していくことが挙げられます。

 昨今、定年制という雇用制度の境があいまいになってきています。かつて55歳を定年としていた日本の会社ですが、今や60歳定年となり、さらに65歳までの選択定年制などもさかんに導入されています。企業は国内労働力不足の危機を回避しています。とはいうものの、今後の、労働力不足の危機が亡くなったわけではありません。この先にあるものは、「定年という概念自体がなくなる」ということなのです。

 将来、企業は、労働力を維持するために、働ける人は年齢に関係なく雇用契約を更新していくという仕組みを採用していくに違いありません。


③専門化とライフワーク時代の到来

 第3の理由が、個人のエキスパート化の進展です。社会が高度に進化していくなかで、それぞれの専門分野が深くなってきており、生半可な知識や経験では差別化が難しくなってきています。

 会社社会というものはこれからも続くと思いますが、その中での一人ひとりに求められる働き方の変化が、専門化なのです。会社の中にいても、大きな価値を長く提供し、自分の存在場所を確保していくためには個人の専門性が問われてくるのです。

 今後、プロ化の波は否応なく浸透していき、私たちに「あなたのできることは何ですか?」とより真剣に迫ってくるでしょう。プロ化の波に乗り遅れると、将来は明るくありません。付加価値の低い、代替可能な仕事しか選択肢がなくなってしまうのです。

 一方で自分の強みを認識し、磨き続ける人には楽しい時代であるともいえます。専門性を磨いていくことが、ライフワークになっていくのです。好きなことを極めていくことはもはや労働という義務的なものではありません。そこにあるのは、「仕事を楽しむ・味わう」喜びです。「働く」を生涯ずっと続けられる人は、間違いなく幸せ度が高い人だと思うのです。


【生涯現役時代に対応するには?】

 生涯現役時代に備えできることの1つが、自分の強みを磨くことであり、その重要性については、このブログでもたびたび取り上げています。他のものと取り換えのきかないプロフェッショナルな能力を身に着けるということです。

 しかし、その前に重要となってくるもの、それは「心とカラダを元気に保つ」ということです。健康であることは、失ってみないことには、さほど気にしないものです。しかし、これからは仕事力を高めるための、私たちのワークスタイルOS(オペレーティングシステム)の中でも「心身の健康維持」が必須事項になってきていると思うのです。

 心とカラダを保つことは、ビジネス上のスキルではありませんが、仕事の生産性にダイレクトに影響します。であるならば、これらをマネージすることが、仕事人としては大切なこと。多忙なエグゼクティブほど体調管理のためにフィットネスを習慣化していたりするのも偶然ではないのです。

コメント