2005年度高齢社会NGO連携協議会の総会終了後に、樋口・堀田両代表と語りあう「情報交流会」が開催され、高連協および各団体の今年度取り組み課題が具体的に取り上げられましたので、その詳細ご報告を2回連続でご紹介申し上げます。
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   高連協情報交流会  ‘これからの高連協のあり方’

開催日時    2005年4月15日 (金) 午後2時30分〜3時45分
開催場所    博報堂グランパークタワープラザ棟401多目的ホール
参加者     27団体   (複数団体からオブザーバー参加有り)
ゲスト      堀田力    (高連協代表・さわやか福祉財団理事長)
          樋口恵子  (高連協代表・高齢社会をよくする女性の会代表)
進行役      和久井良一  (高連協理事・さわやか福祉財団渉外代表)

和久井理事
     高連協には、生きがい、趣味、介護、人口、住宅、社会保障、生涯学習等多岐に亘る活動団体が加入している。年金や介護保険の改正、団塊の世代と2015年問題、これからの日本社会が進むべき方向等を踏まえ、高連協として、又、個々の団体として果たすべき役割について堀田、樋口両代表のご意見を伺いたい。
堀田代表 
     高連協の活動には3つの局面があると思います。
・ 働きたい人が働ける社会の実現
・ 元気な人達が自分を活かせる場の提供
・ 介護を受けていても、プライドを持って最後まで尊厳を全うできる生き方のどこに重点を置くという事ではなく、各団体がそれぞれの取り組みで高連協の憲章に沿った活動をすることが大切です。介護保険改正案に我々の基本理念である「尊厳の確保」という文言が入りましたが、高連協としての目標は間違っていなかった事が証明されました。
  今回は「就労」についてお話します。政府は定年延長に取り組んでいますが、高連協としては「何歳まで」より「働くことを選べる社会」、つまり年齢に関わりなくそれぞれの能力と希望が活かせる社会を提唱します。それぞれの能力を活かして働ける社会が日本全体の活性化につながると思うからです。
  一昨年厚生労働省の「10年先の働き方の研究会」に参画しましたが、「人間開花社会」を副題に働き方のパラダイムを変えることを提唱しました。従来の「雇う者が決める制度」から「雇われる者が決める制度」を提言しました。退職金を廃止し、転職が不利とはならず、一切の差別を無くした能力に応じた雇用を提案しています。この提案は厚生労働省で‘眠って’ますが、労働者が声を挙げて実現していかなければなりません。
樋口代表     
     堀田代表の「人間開花」は素晴らしいと思います。
  PPK(ピンピンコロリ)がいわれていますが、「必障の信念」について語りたいと思います。加齢からは誰も逃れることは出来ません。なんらかの障害が生じ、要介護になった時尊厳をどう支えられるか、介護の問題は切実です。50団体がそれぞれの目的に沿った活動をしていますが、連携団体であるなら、堀田代表の提言された3つの目的に沿って幅広くカバーしながら、少子化、高齢化、人口減のトリプル安のなかでそれなりの豊かさを産み出すことに参画していくべきではないでしょうか。
  それには各団体の発表の場を設ける必要があります。例えば愛知万博で各団体がポスターを出し、自分たちの活動を主張するのも良いと思います。
  ITリテラシーの低い団体でもホームページを開設しています。高連協も各会員が1ヶ月前とかでなく常時ネットで情報を発信できるような仕組みを考えたらいかがでしょう。
  アメリカではAARPが活動していますが、もっと色々な福祉先進国の元気なお年寄りにお会いしてみたいと思います。
団塊世代が高齢者になった時、その影響力は更に大きくなります。私たち世代が生き方のモデルを準備しておく必要があります。我々年金で守られている世代とは異なり、団塊世代にとってはより切実です。私は老後も働くべきと思っています。「健やかである限り、ハタをラクにしながら死ぬ」べきです。
  「働くおばあさんに関する実態調査」では、60歳以上、月5万円以上の収入がある「おばあさん」の1割以上はNPO法人を立ち上げ、自分の好きな働き方をしていました。中高年女性の働く場は介護関係がやはり特徴的です。
  高齢者の消費者マーケットや世代間交流もこれからの大きなテーマになると思います。        つづく

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