私たち生涯現役実践道場/ライフ・ベンチャー・クラブ発足の2〜3年後に、定例セミナー講師との関係で知り合い、以後年賀状でのお付き合いに過ぎなかったファイナンシャル・プランナーの柳沼正秀さんが、わざわざ八重洲事務所に足を運んでくださり、本年6月ご出版の新著書『FPになって独立・開業わずか2年で年収1千万円を稼ぐ!』(すばる舎出版)を贈呈され、早速素敵な内容に目を通させていただきました。
  前文での“FPで独立開業を目指す人へのメッセージ”には、実に明確な人生ミッションを明言しておられるのを読み、ご参考までに以下でご紹介いたします。

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■団塊の世代の相談役になりたい
 私(柳沼正秀氏)は、「団塊の世代の相談役になりたい」という思いから、6年ほど前、50歳を機に専業FPとして独立しました。それも、お金とはほとんど縁も所縁もなかったマスコミ業界からの転業でした。ズブの素人の中高年サラリーマンが、団塊の世代のアドバイザー役としてどんなことをすべきなのかを一生懸命考えてやってきた結果、曲がりなりにもFPとして、ある程度の収入を得ることができるようになったわけです。
 いまでは、この仕事に出会えたことを心から感謝していますし、60歳以降も、ライフワークとして取り組んでいきたいと考えています。
 どんな資格にも共通しますが、資格を取って事務所を構えれば仕事が来るわけではありません。テキストで学習しただけの、雑誌記事の切り売りのような知識では食べていけないことは容易に想像がつくでしょう。
 特にFPは、一般に知られた医者や弁護士とは違うわけですから、自分でマーケットを開拓していかないと仕事にならないのです。逆に、自分の得意な分野や自分が活躍できる土俵を明確にすれば、私はFPのマーケットは無数にあるとも考えています。つまり、相談相手を絞り込むことで、顧客ニーズが明確になり、自分のやれる範囲がわかりやすくなるはずです。ここ数年、顧客対象者や自分の専門分野を明確に打ち出して独立開業するFPが続々と登場し始めました。

■生活設計に関わる意識が変わり始めた
 今回、私がこの本を書こうとした理由は二つあります。
 一つは、一般生活者の生活設計に対する意識が確実に変わり始めたことです。きっかけは、日産生命の倒産から始まった保険会社の破たんでした。それまで、倒産することなど夢にも思わなかった保険会社が次々と破たんしたことで、生命保険の見直しブームが起こりました。次は、不景気と超低金利による住宅ローンの繰上げ返済と借換えブームでした。そこへ追い討ちを掛けたのが、平成16年の公的年金制度改正による将来の年金不安でした。
 これまで「日本人は危機意識が薄い」といわれ、年金制度の改正ごとに、漠然とした老後の不安は感じても、具体的な行動を起こす人は見られませんでした。背景には、戦後の経済成長の中で採られてきた終身雇用と年功序列制度が大きく影響していたのかもしれません。
 しかし、今回の年金改正では、年金の支給水準を現役世代の平均賃金の約6割から、将来は5割を割り込むところまで引き下げるという数字が目の前に突きつけられたのです。さすがに、漠然とした不安が現実化したことで、やっと一般生活者にも「自分の老後は自分で守らなければ」という意識が芽生え始めたのです。この流れはもう止まらないでしょう。
 二つ目は、インターネットの普及でFPのビジネス環境ががらっと変わってきたことです。私が独立した6年ほど前は、FPにお金を払って相談しようという土壌もなく、仮にFPをさがそうとしても、どうしてさがせばいいのかもわからない状況でした。ところがいまや普及率が7割を超え、インターネットが一般生活者に普及し始めたことで、FPをさがそうと思えば簡単にさがせる時代になってきたのです。事実、インターネットを利用して独立するFPが現れ始めました。「老後の不安が現実化した」ことが追い風となり、「有料でも自分の将来設計に関して相談したい」というニーズが顕在化し、ITの普及がその後押しをしたのです。
 FPという職業は、相談者の夢プランを実現するために、将来のイメージ作りをお手伝いする職業です。世界広しといえども、こんな夢を持てる職業があるでしょうか。中高年サラリーマンが取得したい資格ナンバーワンにFPが挙がっている理由がわかるような気がします。
 まだ日本では独立系FPのビジネスモデルができ上がっていません。別の言い方をすれば、先に自分が想定するFP像を描いて仕事として成立させれば、それは立派な日本型FPのビジネスモデルでもあるわけです。
 私は、この魅力的な仕事にもっと多くの人が入って来てほしいと思っています。それが、私たち自身がこれからのFP業界をつくっていくことに繋がるはずだからです。
 本書は、どこから読んでもポイントを押さえられるような構成を心掛けました。
 あなたの夢の実現の一助となることを願ってやみません。
                        柳沼正秀

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これからFP資格への挑戦を目指す人に限らず、人生後半のライフワークの目標設定に役立つ柳沼さんの使命感は大いに参考になるのではないでしょうか。 

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