ご報告3回目の■懐の深い論議を・・・と一段と論議が進展してまとめ上げられた最終回の内容を下記にご紹介させていただきます。

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   ■懐の深い論議を!

  年金問題は本質論議、抜本論議が置き忘れられていることへの危機感が会場に終始流れていた。高連協は01年に小泉首相あてに出した「社会保障制度改革」に関する提言のなかで年金制度を公平でわかりやすいものとするための制度の一元化や世代間の支え合いなどの方向を打ち出してきた。堀田さんはこれも踏まえて「負担と給付の公平性をどう確保するか、最大の決め手は少子化がこれ以上減らない人口構造をめざしていくことだ。出生率を上げる多様な施策を考えるのととともに、これから少子高齢化に直面していくアジア諸国とも連携して例えば移民をもっと受け入れる政策転換なども考えるべきだ。公平でみんなが納得できる制度をつくるため具体策を提言していこう」と、懐の深い論議にねばり強く取り組むことを求めた。

  樋口さんは「日本の社会保障制度はうまく機能していないと思われているが、米国のように老後の介護保障も医療保障もほとんどないところでは老後は日本で過ごしたいと思っている日本人妻も少なくない。日本がようやくみんなでつくりあげてきた社会保障制度をいろんな形で持続させていくために誇りを持って取り組んでいくことが大事だ。若い世代との連携、老人クラブの役割の見直しを含め恒常的な協力の仕組みができないかどうか考よう」と語った。そして、最後は「われわれは自覚して人生百年を生きる最初の世代だ。歳をとるのはよいことだというモデルをつくろう。手始めに世界各地の地域で元気に生産的に生きている『元気老人』と出会う旅というのをやらない?」と締めくくった。

  「樋口効果」か集会の聴衆は半分以上が女性で、「どちらかというとおじさん、おじいさんたちの集まりだった高連協がこんなに大きく変わってびっくりした」とは堀田さんの言であった。

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  「元気」という言葉が再三語られた。「元気な高齢者」「元気老人」。活動実績に裏打ちされた周到なる楽観主義だ。?90年代は「失われた10年」となにかと否定的に思いがちだが介護保険制度の創設をはじめ成果は前向きにとらえよ?どう発展させるか。立場や世代、男女、官民、中央・地方などの従来の枠を超えて高齢者を支える多様な連携のネットワークを各地域で重層的に築いていくことが大事だ?中高齢者自身が積極的に役割を見いだし担っていくことが不可欠だ?高連協をはじめ市民活動を包摂するネットワークの役割はとりわけ重要だ。話を要約するとそんなことになる。聞きながら高齢者をつなぐ連帯のツールとしてインターネットが果たす役割を考えていた。この場にふたりの話を紹介したのもその思いからだ。この時代をどう生きるかをまず語り合っていこう。
            以上

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