「故吉田壽三郎先生を偲ぶ」追悼文集
2004年4月28日 私たちの生涯現役実践運動に、深いご理解とご協力を頂戴した故吉田壽三郎氏が逝去されて3周忌を迎え、その追悼文集が手元に届けられました。いまは亡き先生は、第2次世界大戦の敗戦直後から日本の長生き時代の到来と人口バランス問題に関心を抱き、1950年には超高齢社会を予見したウエルエージングの造語をつくられて、1956年日本ウエルエージング協会の創設以来、40有余年に亙り会長として国際的にもエージング学者として知られた方です。その文集の末端に私は以下の文を送らせていただきました。
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平成6年の秋、生涯現役実践を志す仲間の会報に、ホワイトカラー新時代の幕開け/『私の大真面目なたわごと』と題して、故吉田先生から次のような玉稿を頂戴したことがある。
福沢諭吉先生は、「一身にして二生を生きる」といわれ、武士として、教育者としての二つ、否それ以上の人生を生きられた。これは人生50年の時代のことである。人工長命80年の現代においては、少なくとも三生を生きる覚悟が要るのではなかろうか。
この意味でも、「生涯現役の会」に私は大変惚れ込んでいる。これは、私が“アクティブ・エージング”をかねてから提唱し、その趣旨を行うことと全く一致する。現実の生活方式からいうと、積極的なセルフ・サポートで、できれば80年人生を自立して生き抜き、ポックリ死する。といっても、不幸にして大きな心身のハンディを持ちながら、なお生きなければならない事態も起こる。ソーシャル・サポートも用意しておかなければならないが、この際、所得サポートのみではだめで、心豊かな心のサポートがより大切と私は心得ている。これは何処でも何時でも人のいるところ、その気になれば提供できるサポートであり、かつ所得サポートをより有効に活用させる効用もある。(中略)
実は私の40年にわたる高齢化の研究からは、近代工業化が人の心を貧しくすることが、大英帝国を建設した英国戦士のような痛ましい老後の憂き目にあいかねないのは、日本近代工業化の中心世代である現在50歳前後の人たちである。とくにいまのホワイトカラーがその80歳前後になったときに、英国同様否それ以上の地獄が来る。この占いだけは当たってほしくない。しかもそれを回避するには、「生涯現役」自助努力の道をおいて他にない。
それには、私のささやかな研究からではあるが、下克上的な三つの運動、?「参加型センター創り運動」?「アクティブ・エージング運動」?「自然の良能アップ運動」を地道に展開する「アクティブ・エージング」を試みていただけたらと心から願う次第である。
このように生涯現役実践の人生大先輩だった先生から、同志後輩の私たち仲間に対して寄せられた数々の励ましに少しでも応えようと、前記の「参加型センター創り運動」のことを首都圏一円で展開する「生涯現役・社会参加の会」各地域10余名の代表世話人たちと拝聴したことがある。その参加型センター創りの構想が、先生のご存命中に具体的な花を咲かせるまでには至らなかったのは残念である。
しかし、私たちが最近関係する山口県の「生涯現役いきいきプラン21」のように、全県挙げての元気な高齢者が、支援を必要とする高齢者を支える運動の推進過程では、「参加型センター構想」なども再登場の可能性がある。故吉田先生の残された「アクティブ・エージング」の蕾を今世紀に花咲かせることこそ、私たち生涯現役を志す者に課せられた使命であり、また大いにやりがいのある挑戦目標でもある。(ライフ・ベンチャー・クラブ代表)
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平成6年の秋、生涯現役実践を志す仲間の会報に、ホワイトカラー新時代の幕開け/『私の大真面目なたわごと』と題して、故吉田先生から次のような玉稿を頂戴したことがある。
福沢諭吉先生は、「一身にして二生を生きる」といわれ、武士として、教育者としての二つ、否それ以上の人生を生きられた。これは人生50年の時代のことである。人工長命80年の現代においては、少なくとも三生を生きる覚悟が要るのではなかろうか。
この意味でも、「生涯現役の会」に私は大変惚れ込んでいる。これは、私が“アクティブ・エージング”をかねてから提唱し、その趣旨を行うことと全く一致する。現実の生活方式からいうと、積極的なセルフ・サポートで、できれば80年人生を自立して生き抜き、ポックリ死する。といっても、不幸にして大きな心身のハンディを持ちながら、なお生きなければならない事態も起こる。ソーシャル・サポートも用意しておかなければならないが、この際、所得サポートのみではだめで、心豊かな心のサポートがより大切と私は心得ている。これは何処でも何時でも人のいるところ、その気になれば提供できるサポートであり、かつ所得サポートをより有効に活用させる効用もある。(中略)
実は私の40年にわたる高齢化の研究からは、近代工業化が人の心を貧しくすることが、大英帝国を建設した英国戦士のような痛ましい老後の憂き目にあいかねないのは、日本近代工業化の中心世代である現在50歳前後の人たちである。とくにいまのホワイトカラーがその80歳前後になったときに、英国同様否それ以上の地獄が来る。この占いだけは当たってほしくない。しかもそれを回避するには、「生涯現役」自助努力の道をおいて他にない。
それには、私のささやかな研究からではあるが、下克上的な三つの運動、?「参加型センター創り運動」?「アクティブ・エージング運動」?「自然の良能アップ運動」を地道に展開する「アクティブ・エージング」を試みていただけたらと心から願う次第である。
このように生涯現役実践の人生大先輩だった先生から、同志後輩の私たち仲間に対して寄せられた数々の励ましに少しでも応えようと、前記の「参加型センター創り運動」のことを首都圏一円で展開する「生涯現役・社会参加の会」各地域10余名の代表世話人たちと拝聴したことがある。その参加型センター創りの構想が、先生のご存命中に具体的な花を咲かせるまでには至らなかったのは残念である。
しかし、私たちが最近関係する山口県の「生涯現役いきいきプラン21」のように、全県挙げての元気な高齢者が、支援を必要とする高齢者を支える運動の推進過程では、「参加型センター構想」なども再登場の可能性がある。故吉田先生の残された「アクティブ・エージング」の蕾を今世紀に花咲かせることこそ、私たち生涯現役を志す者に課せられた使命であり、また大いにやりがいのある挑戦目標でもある。(ライフ・ベンチャー・クラブ代表)
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