「イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに『バカの壁』が立ちはだかっているからだ」と、養老氏はいいます。
 
 『バカの壁』が、なぜベストセラーとして読まれているのか、と周囲の人たちに訊ねると、大部分の人からは読み易くて、わかり易いからだという回答が返ってきます。著者の養老氏にとって、この本は一種の実験だと表現していますが、著者の独白を編集者が文章化した試みは本当に面白いと思います。
 
 「いつの間にか私たちは様々な『壁』に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方がわかってくる。人生でぶつかる諸問題について、『共同体』『無意識』『身体』『個性』『脳』など、多様な角度から考えるためのヒントを提供する」と、『バカの壁』の新書カバーや、「まえがき」の説明文では、述べられています。

 この説明文は確かに、私たちが『生涯現役』の考え方をできるだけ大勢の人に理解してもらう場合についても、大変参考になる重要なポイントを含んでいると実感しました。   つづく              

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