「60歳以降の過ごし方をアクティブな視点で考える」と語る生きがい支援システム研究所臼倉登貴雄所長の生涯現役論?を昨日に続きシリーズで以下転載することにしました。

 〔生涯現役論〕?

 60歳以降の過ごし方を「アクティブ」な視点で考える

「生涯現役」の生き方とは
 先ずここで言う「生涯現役」とは、生涯現役で働き続けるということではなく、生涯現役で生きていくという意味であって、その生き方は、社会とのかかわりを積極的に持ち、自立して、自分たちの力で、積極的に生涯を現役で生きていくということであると位置づけている。
 したがって、生涯現役とは、歳をとったから生き方を変えるということでなく、また現役から引退した別の生き方をするのでなく、年相応に生きるということでもなく、生涯に渡って自分の望む方法で社会とのかかわりを持って生きていくライフスタイルともいえる。
 また、生涯現役とは、かつての年寄り、老人、といわれていた世代の価値観やライフサイクルとは一線を画した生き方を指向しているともいえる。

アクティブな円熟世代
 最近、行楽地や名所旧跡地、登山やハイキング、海外旅行、テニス場やゴルフ場、カルチャーセンター、スポーツセンター、デパートやショッピングセンター等、何処に行っても多くのシルバー世代に出会うようになった。中でも明るく元気で活動的で積極的な円熟世代が目に付くようになった。
 昨年、ネパールで起きたトレッキング中の事故をはじめ円熟世代の事故が国内・国外をとわず頻繁に起こっている。アクティブな円熟世代が、世界中を闊歩しているともいえる。
 また、円熟世代のグループやサークルも多く見かけるようになってきた。生涯学習施設をはじめさまざまな研修や学習の場で学ぶ円熟世代も増加してきた。ボランティア活動に参加する円熟世代も多くなってきた。
 今日では、このように円熟世代は、積極的に行動してきている。そこからは、強いパワーが感じられるのである。こうした現象は、ここ十年位の間の大きな変化といえるのではないだろうか。

3つの宝物を持った円熟世代
 円熟世代が、なぜこのようにアクティブになれるのだろうか。その答えは、3つの宝物を持った世代だからいうことである。
 3つの宝物とは、ひとつは時間である。定年退職により拘束された労働からの解放、子どもの独立による解放等により、自由に使える時間が手に入るのである。この自由時間を使って、今までに出来なかったことを実現したり新たなものへの挑戦が可能となっているのである。
 2つ目はお金である。これまでの蓄えや年金の受給により日常の生活には困らなくなっている。また、資金の余裕は、お金のかかる海外旅行や趣味、学習活動等への参加を容易にしているのである。
 3つ目は行動力である。今や60歳70歳は、かつての高齢者とは違って体力、気力ともに充分に持ち合わせている。行きたい所には行く、やりたいことはやれる、かつては参加できなかったハードな活動にもどんどん参加してきている。
 このように3つの宝物を手にしたことが、生涯現役の生き方を可能にしているといえる。

                               つづく

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