「生涯現役推進協議会」設立準備委員の「年齢差別をなくす会」代表の言葉をご紹介します。  

 生涯現役と年齢差別

 ここ数年来、小会と連携をしているライフ・ベンチャー・クラブは「生涯現役」をスローガンに掲げて活動している伝統ある団体である。その代表である東瀧氏はこの程、より幅広い啓発活動を展開すべく、来年2月に「生涯現役推進協議会」を発足させる旨を公にした。(会合への参加など)連携はしていたものの、これまで具体的な取り組みは皆無に等しかったのであるが、これを機に、より積極的な連携をしていくことが出来ないものか、検討を始めた。
 そもそも、「生涯現役」と「年齢差別(撤廃)」の考え方には深いつながり、共通の理念がある。それは、一言で言えば、「(生きていく上で)年齢は関係ない(ハンデにならない、あるいはハンデにすべきでない)」ということである。とは言っても人間、年と共に肉体が衰えていくのは仕方がない。しかし、より重要な要素は「こころ」である。例えば、暦の年齢は70歳でも精神的に20代の人がいるし、その反対に、暦の年齢が20代でも精神的に老いた若者もいる。要は、好奇心旺盛に、何事にもチャレンジする気持ちがあるかどうか、これが本当の「若さ」ではなかろうか。
 より具体的な例を挙げるとすると、「定年制」に対する考え方にも共通項がみられる。「生涯現役」を雇用の分野で具現化しようとすれば、それは「定年制」の廃止を意味する。小会も「定年制」は年齢差別の一形態であるととらえ、当然廃止すべきと考えている(米国では1986年に事実上廃止になっている)。「定年制」の廃止は、言うまでもないことだが、決して働くことを強要するものではない。働くか働かないかを選択出来る、これが本来あるべき雇用制度なのである。
 勿論、雇用の分野だけではない。「生涯現役」の思想は、人の生活すべての分野にかかわっている。「肉体(健康)」、そして「こころ」の問題、すべてにおいて「生涯現役」が実践されなければならない。「年齢差別」も同様である。年齢に対する偏見はいたるところに存在し、募集・採用における年齢制限や定年制の問題などは顕著ではあるが、そのほんの断片に過ぎない。即ち、「生涯現役」の実践とは、「年齢差別」の撤廃とは、人々の心から年齢に対する偏見をなくすこととイコールなのである。
 最後に、「生涯現役」も「年齢差別」も、中高年を主たる対象としつつも、あらゆる世代にかかわっているという点でも似ている。「生涯現役」の実践は何歳から始めてもおかしくない。何しろ、「生涯」現役なのだから、20歳からでも、30歳からでもいいわけである。「年齢差別」も、その年齢の制限枠をどこにとるかで、25歳でも、30歳でも年齢差別の対象となる。本来、「生涯現役」も「年齢差別」も、あらゆる世代の関心事なのである。

参考URL=http://www.hatarakizakari.com/

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